[見どころ!]井上岳志 vs. ウェイド・ライアン

3月18日(月)後楽園ホール
OPBF東洋太平洋、WBOアジアパシフィック スーパー・ウェルター級タイトルマッチ

王者・井上岳志(ワールドスポーツ) 
vs
挑戦者ウェイド・ライアン(オーストラリア)

井上=1989年12月1日、東京都出身の34歳。右ファイター型。戦績:24戦20勝(12KO)2敗2分。

ライアン=1990年2月12日、オーストラリア出身の34歳。左ボクサー型。戦績:33戦22勝(8KO)11敗。


経験値の高いタフガイ同士の一戦
井上が終盤に抜け出すか


 地域2冠王者の井上が元オーストラリア国内王者のライアンの挑戦を受ける。ともにタフで長丁場の戦いにも慣れているため勝負は終盤までもつれそうだ。

 この8月、井上はプロデビューから10年の節目を迎える。日本王座、東洋太平洋王座、WBOアジアパシフィック王座など獲得したベルトは多い。勝利という最良の結果こそ出なかったが、2019年1月にはアメリカでハイメ・ムンギア(メキシコ)の持つWBO世界スーパー・ウェルター級王座に挑んだこともある。また、2021年11月にはオーストラリアに遠征し、のちに世界王者になるティム・チュー(オーストラリア)とも拳を交えている。2戦とも12回判定負けだったが、井上の心身のタフさを証明した試合だった。

 チュー戦以降はフィリピン遠征での12回引き分けを含め4戦3勝(2KO)1分の戦績を残している。圧力をかけながら接近戦を挑み、中近距離で左右フック、アッパーを叩きつける好戦型だ。

 ライアンは2012年6月のプロデビューで、12年間に33戦して11度の敗北を経験しているが、KO負けはデビュー4戦目の一度だけというタフガイだ。ルーキー時代のチューとも対戦経験があり、10回判定で敗れたものの初回には左ストレートのカウンターでダウンを奪っている。適度な距離を保って戦うサウスポーのボクサー型で、相手が出てきたところを迎え撃つことが多い。相手が出て来ない場合は右ジャブで牽制して左ストレートに繋げる攻撃パターンを持つが、ややパワーに欠ける印象だ。

 井上が積極的に仕掛け、ライアンが迎え撃つ展開が予想される。ジャッジにアピールするためにも井上とすれば打っては離れ、離れては打つというボクシングが効果的か。長期戦を念頭に置いてライアンのスタミナを削るために折々でボディも攻めておきたいところだ。(原功)

東日本ボクシング協会

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