[ 見どころ ] 充実の王者に死角なし?序盤に勝負かけたい河村

10月8日(木)後楽園ホール

東洋太平洋スーパーバンタム級タイトルマッチ

王者・勅使河原弘晶(三迫) 

vs

挑戦者・河村真吾(ミツキ)


勅使河原=1990年6月3日、群馬県出身の30歳。三迫ジム所属。右ファイター型。戦績:25戦21勝(14KO)2敗2分。

河村=1990年7月12日、大阪府出身の30歳。サカイジム所属。左ボクサーファイター型。戦績:25戦16勝(8KO)5敗4分。


 スーパーバンタム級でWBC7位、IBFでは最上位の3位(1位と2位は空位)にランクされる勅使河原が、2年前に獲得した東洋太平洋王座の4度目の防衛戦に臨む。ジム移籍後の初戦となる勅使河原がどんなパフォーマンスを見せるのか。

 この4年ほどの勅使河原の充実ぶりは目を見張るものがある。16年10月の赤穂亮(横浜光)戦で惜敗したあとは9連勝(8KO)をマーク。中身も濃い。バンタム級のWBOアジアパシフィック王座を獲得して2度防衛し、これを返上してスーパーバンタム級に転向したあとは東洋太平洋王座について3連続KO防衛中だ。世界挑戦経験者の帝里木下(千里馬神戸)、大森将平(ウォズ)にも完勝している。もともと攻撃主体だったボクシングに巧さも加わった感がある。圧力をかけて勢いで倒すだけでなく、追い込まれた相手の出端にカウンターを合わせるなど戦術面でも厚みが出てきた印象だ。この8月に輪島功一スポーツジムから三迫ジムに移籍しており、新チームで臨む初戦だけに精神的にも充実しているものと思われる。

 挑戦者の河村は13年度の全日本フェザー級新人王で、ホームの大阪をはじめ京都、名古屋、熊本、和歌山、さらにタイで試合をした経験を持っている。東京のリングは新人王を獲得した場でもあるが、その後は清水聡(大橋)の東洋太平洋フェザー級王座に挑んで4回TKO負け、佐川遼(三迫)に8回TKO負け、三浦仁(三迫)と8回引き分けと勝利から遠ざかっている。それらを含め直近の5戦は2敗3分と武運から見放された感がある。左構えから右ジャブで切り込み、機を見て左から連打に持ち込むタイプだ。

 総合力に加え近況でも大きく勝る勅使河原が圧倒的有利といえる。プレッシャーをかけて早々に主導権を握るようならば、そのまま一気に押し切ってしまう可能性もある。河村はサウスポーの利点を生かしたいところだが、厳しい戦いになることは覚悟せねばなるまい。

 序盤から思い切った左ストレート、右フックで勝負をかけられるか。(原功)


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