[見どころ!] 中谷潤人vsジーメル・マグラモ

11月6日(金)後楽園ホール

WBO世界フライ級王座決定戦

3位・中谷潤人(M.T)vs1位ジーメル・マグラモ(フィリピン)


中谷=1998年1月2日、三重県出身の22歳。M.Tジム所属。左ボクサーファイター型。戦績:20戦全勝(15KO)。

マグラモ=1994年10月5日、フィリピン出身の26歳。右ファイター型。戦績:25戦24勝(20KO)1敗。


距離を保ちたい中谷

接近戦に持ち込みたいマグラモ


 田中恒成(畑中)が返上して空位になったWBO世界フライ級王座の決定戦。この試合は4月4日に行われる予定だったが、コロナ禍のため8月21日に延期され、さらに再延期されたすえ今回の日程に落ち着いた。長身サウスポーの中谷が75パーセント、小柄な攻撃型のマグラモが80パーセント、ともに軽量級ばなれした高いKO率を誇るだけにスリリングな攻防が見られそうだ。

 中谷は171センチの長身を生かしたボクサーファイター型で、懐の深いボクシングをする。遠い距離から丹念に右ジャブを突いて牽制し、機を見て左という攻撃パターンを持っている。この左はストレート、フック、至近距離ではアッパーと多彩で、顔面とボディへの打ち分けも巧みだ。

 マグラモは元東洋太平洋フライ級王者のメルビン・マグラモの息子で、父親の指導を受けて現在の地位に上がってきた。KO率では中谷を上回るが、一発で仕留めるタイプではない。小柄な体をさらに縮めた前傾姿勢で圧力をかけ、距離を潰しながら手数で迫る攻撃的な選手だ。過去に長身サウスポーと対戦した際は相手の足の動きを封じるために執拗にボディを攻めていたが、今回も同様の策を採る可能性が高い。

 地の利に加え体格のアドバンテージがある中谷は、いつも以上に慎重かつ正確なアウトボクシングをベースにして戦いを進めるものと思われる。右ジャブと足が十分に機能すれば着々とポイントを重ねそうだ。そのうえで左でダメージを与えることができれば中盤から終盤にかけて大きなヤマをつくることもできるだろう。

 開催が春から夏、そして秋と変わったため両者とも心身のコンディション調整が難しかったものと思われるが、ベストの状態でリングに上がってほしいものだ。(原功)

東日本ボクシング協会

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