[見どころ!] 井岡一翔 vs 田中恒成

12月31日(木)大田区総合体育館

WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ

王者・井岡一翔(Ambition) vs 同級1位・田中恒成(畑中)



井岡=1989年3月24日、大阪府出身の31歳。右ボクサーファイター型。戦績:27戦25勝(14KO)2敗。

田中=1995年6月15日、岐阜県出身の25歳。右ボクサーファイター型。戦績:15戦全勝(9KO)。


安定感の井岡、爆発力の田中

見応えある攻防を期待!


 日本人唯一の世界4階級制覇王者の井岡が、すでに3階級制覇を成し遂げている田中の挑戦を受ける。プロ7戦目で戴冠を果たし計18度の世界戦を経験している井岡、日本最短となるプロ5戦目で世界奪取を果たし世界戦9連勝(5KO)中の田中。日本のみならず世界的にも注目度の高い世界戦だ。

 井岡は2011年2月にWBC世界ミニマム級王座を獲得し、WBA王座統一を含め3度防衛後に返上。ライトフライ級でも戴冠を果たし、これもV3後に返上してフライ級に転じた。ここで初の挫折を味わったが、2015年4月には3階級制覇を達成。この王座は5度防衛後に返上して一時は引退したが、1年5ヵ月後に戦線復帰。2年前のWBO世界スーパーフライ級王座決定戦ではドニー・ニエテス(フィリピン)に競り負けたが、そのニエテスが返上して空位になった王座の決定戦に出場し、アストン・パリクテ(フィリピン)を10回TKOで下して4階級制覇を成し遂げた。昨年6月のことである。初防衛戦では試合巧者ぶりを発揮して指名挑戦者のハビエル・シントロン(プエルトリコ)を明白な判定で退けている。

 一方の田中は2013年11月にプロデビュー。1年半後の2015年5月にWBO世界ミニマム級王座を獲得し、翌2016年12月にはライトフライ級も制覇。2度防衛後にフライ級に転向し、2018年9月に木村翔(青木)を破ってWBO世界フライ級王座を獲得、3階級制覇を果たした。この王座は田口良一(ワタナベ)らを相手に3度防衛したあと返上した。ちなみに直近の試合は1年前のことで、井岡対シントロンと同じリングで鮮やかな3回KO勝ちを収めている。今回勝てば日本人ふたりめの4階級制覇となる。

 ともに右のボクサーファイター型のカテゴリーに入るが、井岡が長丁場の戦いを前提に前半、中盤、終盤の戦い方を使い分けるなど戦術に長けているのに対し、田中はスピードとパワーを前面に出して積極的に戦うタイプといえる。安定感では井岡、瞬間的な爆発力では田中が上回っている。今回、ふたりとも自分の持ち味を最大限に生かすボクシングで勝機を探るものと思われるが、一方が果敢に攻め、もう一方が巧みに迎え撃つという分かりやすい構図にはならないような気がする。カギになりそうなパンチを挙げるとするならば井岡はボディブローと左フック、田中は右ストレートと左右のアッパーか。一瞬たりとも目の離せないハイレベルの攻防が見られそうだ。(原功)

東日本ボクシング協会

東日本ボクシング協会公式ホームページです。