[見どころ!] 佐川遼 vs 丸田陽七太

2月11日(木=祝日)後楽園ホール

日本フェザー級タイトルマッチ

王者・佐川遼(三迫)vs 挑戦者・丸田陽七太(森岡)


佐川=1994年3月13日、青森県出身の26歳。右ボクサーファイター型。戦績:11戦10勝(5KO)1敗。

丸田=1997年4月18日、兵庫県出身の23歳。右ボクサー型。戦績:12戦10勝(8KO)1敗1分。


切り札の右を持つ佐川

左ジャブが生命線の丸田

 WBC世界フェザー級9位、IBF11位にランクされる日本王者の佐川が、国内最上位者の丸田を迎えて3度目の防衛戦に臨む。切れのある右ストレートを持つ佐川、ロングレンジからテンポよく左ジャブを突くWBC30位の丸田。注目度の高い好カードだ。

 佐川はアマチュアで84戦(62勝22敗)を経験後、4年前に22歳でプロデビュー。2戦目で不覚の2回TKO負けを喫したものの、以後は9連勝(4KO)と好調を維持している。この間、18年9月には世界挑戦経験者の松本亮(大橋)を3回TKOで破り、19年9月には世界ランカーの阿部麗也(KG大和)に競り勝って日本王座を獲得。初防衛戦では変則型の日野僚(川崎新田)に判定勝ち、V2戦では竹本雄利(クラトキ)を6回KOで退けている。KO率は45パーセントと決して高いわけではないが、右ストレートの破壊力には定評がある。この右は自ら踏み込んで打ち込むだけでなくカウンターとして合わせることもある。このところ3試合続けてサウスポーが相手だったが、久しぶりの右構えの選手との対戦となる。

 挑戦者の丸田はアマチュアで27戦21勝(13KO)6敗の戦績を残したあと18歳でプロに転向。3戦目にWBCユース王座を獲得するなど早くから注目を集め、6戦目には世界挑戦経験者の大竹秀典(金子)が持つ東洋太平洋スーパーバンタム級王座に挑んだが、12回をフルに戦い抜いたものの判定で敗れた。それを機にフェザー級に上げ、18年8月にフィリピン遠征で8回引き分けに終わった試合を除き5勝をあげている。19年10月の「最強挑戦者決定戦」では元王者の大橋健典(角海老宝石)を左ジャブで翻弄。初回にダウンを奪い、相手の鼻梁を切り裂いて3回TKO勝ちを収めている。KO率は67パーセントと高いが、177センチの長身と恵まれたリーチを生かしたアウトボクシングを得意としている。

 佐川が右ストレート、丸田が左ジャブ、ともに絶対の自信を持つパンチがはっきりしているだけに、互いにそのパンチをどう生かし、どう相手のパンチを防ぐかがカギといえる。正面に立ちたくない佐川は足と上体の動きで挑戦者に焦点を絞らせずに距離を潰してから右を打ちたいところ。丸田も足をつかいながら徹底してロングレンジからの左ジャブで煽りたいはず。序盤から駆け引きをまじえたテンポの速い攻防がみられそうだ。(原功)

東日本ボクシング協会

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