[見どころ] 井岡一翔vs.ロドリゲス

9月1日(水)大田区総合体育館

WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ

王者・井岡一翔(志成)
vs.
挑戦者フランシスコ・ロドリゲス(メキシコ)


井岡=1989年3月24日、大阪府出身の32歳。右ボクサーファイター型。戦績:28戦26勝(15KO)2敗。

ロドリゲス=1993年7月10日、メキシコ出身の28歳。右ファイタ型。戦績:39戦34勝(24KO)4敗1分。


経験値の高い者同士の一戦
中盤から井岡がペース掌握か


 2019年6月に現在の王座を獲得し、日本初の4階級制覇を成し遂げた井岡の3度目の防衛戦。昨年の大晦日、田中恒成(畑中)を緻密かつ大胆なボクシングで8回TKOに退けたのは記憶に新しいところだ。かつてミニマム級でIBFとWBO王座に君臨したロドリゲスを相手にどんな戦いを見せるのか。

 井岡が初の戴冠を果たしたのは2011年2月だから、10年以上が経過したことになる。この間、フライ級とスーパーフライ級の王座挑戦試合で惜敗を喫したが、それ以外は順調に白星を重ねてきた。28戦のプロキャリアのうち7割近い19試合(17勝10KO2敗)が世界戦で、アメリカや中国(マカオ)のリングにも上がっているのだから中身は濃い。一見した派手さは感じられないものの基本に沿った攻防技術を軸に組み立てたボクシングは高次元で安定感があり、上下の打ち分けやギアの切り替えなど戦術面でも長けている。12ラウンドをフルに9度戦いきるなどスタミナもあり、経験値も十分といえる。

 WBOの指名挑戦者としてリングに上がるロドリゲスは2014年3月にWBO世界ミニマム級王座を獲得し、8月にはIBF王者の高山勝成(現寝屋川石田)にも勝って王座を統一。しかし、減量苦のため両王座を返上して階級を上げ、2015年7月にはドニー・ニエテス(フィリピン)の持つWBO世界ライトフライ級王座に挑んだが、12回判定で敗れた。その後、フライ級からスーパーフライ級に転向し、2016年以降は15連勝(11KO)を収めている。積極的に仕掛けて出る攻撃型で、中間距離で回転の速い連打を見舞うことが多い。その一方、左構えにスイッチして距離をとって戦うこともできる。こちらも10ラウンド以上をフルに9度戦いきっており、経験値とスタミナは問題なさそうだ。

 序盤はロドリゲスが仕掛けて井岡が迎え撃つ展開が予想される。慎重に相手の出方をうかがいながらデータ収集をする井岡が出遅れることはあるかもしれないが、中盤に入るあたりで左ジャブとボディブローを効果的につかいながら主導権を手繰り寄せるものと思われる。そして中盤から終盤にかけて引き離していく可能性が高いとみる。(原功)

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