[見どころ] 福永亮次 vs.梶颯

10月2日(土)後楽園ホール

日本、東洋太平洋、WBOアジアパシフィック王座

スーパーフライ級タイトルマッチ

王者・福永亮次(角海老宝石)vs.挑戦者・梶颯(帝拳)


福永=1986年8月30日、大阪府出身の35歳。左ボクサーファイター型。戦績:18戦14勝(14KO)4敗。

梶 =1997年8月10日、埼玉県出身の24歳。右ボクサーファイター型。戦績:15戦全勝(9KO)。


35歳の3冠王者 vs.24歳の若武者
KO決着濃厚!


 福永が昨年2月と12月の2試合で獲得したスーパーフライ級の3冠――日本、東洋太平洋、WBOアジアパシフィック王座――の防衛戦に臨む。挑戦者の梶はアマチュア8戦(全勝6KO)、プロ15戦、計23戦して敗北を喫したことがない新進気鋭。KO決着間違いなしのカードといえる。

 福永はデビュー戦で4回判定負けを喫したが、2016年には30歳で全日本新人王に輝いた。しかし、2018年に連敗を喫し、それを機に角海老宝石ジムに移籍した。すでに32歳を超えていたが、2020年2月に世界挑戦経験者のフロイラン・サルダール(フィリピン)に7回TKO勝ちを収めてWBOアジアパシフィック王座を獲得。10ヵ月後、日本王者の中川健太(三迫)に10回TKO勝ちを収め、同時に空位の東洋太平洋王座も手に入れた。今年6月、藤井貴博(金子)を相手に日本王座とWBOアジアパシフィック王座の初防衛戦を行い、8回TKO勝ちを収めている。

 14の勝利すべてがKOであることでも分かるように、福永はパンチ力を売りにするサウスポーだ。フェイントを交えながら飛び込み、左ストレート、右フックを顔面、ボディに打ち分ける。その戦いぶりと風貌から「リトル・パッキャオ」の異名がある。

 挑戦者の梶は2015年2月にプロデビューし、その年の全日本新人王を獲得。余談だが、福永はこの年の東日本新人王戦準決勝で敗退したが、もしもここを勝ち抜いていれば決勝で梶と対戦していたことになる。梶は一度の挫折もなくプロで15の勝利を重ねてきたが、苦しい戦いも経験している。最たるものが2019年7月のレイ・オライス(フィリピン)であろう。2対1の8回判定勝ちを収めはしたが、正面に立ってクリーンヒットを許す場面が目立った。気になるのはオライスがサウスポーである点だ。今回はより攻撃力のある福永が相手だけに不安は残る。

 揺さぶりをかけながら飛び込んで自慢の強打を叩きつけたい福永と、距離を潰して左フックや右ショートなどで攻めたい梶。4連続KOと乗っている福永有利ではあるが、若い梶が先手をとるような展開になると勝負の行方は分からなくなりそうだ。(原功)

東日本ボクシング協会

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