[見どころ!]平岡アンディ vs.佐々木尽

10月19日(火)後楽園ホール
日本&WBOアジアパシフィックスーパーライト級王座決定戦

平岡アンディ(大橋) vs.佐々木尽(八王子中屋)


平岡=1996年8月8日、神奈川県出身の25歳。左ボクサー型。戦績:17戦全勝(12KO)。

佐々木=2001年7月28日、東京都出身の20歳。右ファイター型。戦績:11戦全勝(10KO)。


高い総合力の平岡
KO率90%超の佐々木
駆け引きにも注目!


 飛ぶ鳥を落とす勢いの中量級ホープ同士が、空位の日本スーパーライト級王座とWBOアジアパシフィック王座をかけて拳を交える。勝者が2本のベルトを獲得するとともに世界への階段を一歩上り、敗者は出直しを強いられるというKO決着必至の注目ファイトだ。

 平岡はアメリカの大手プロモート会社、トップランク社とも契約を交わしている逸材で、2019年11月と2020年10月にはラスベガスで試合に臨み(2回TKO勝ち、4回TKO勝ち)経験値を上げている。それら含め3連続KO勝ちと勢いを増している印象だ。立ち位置を変えつつサウスポーから右ジャブを出して牽制し、タイミングを計った左ストレートを突き刺すことが多い。チャンスには回転の速い連打で追い込む。2年前、世界挑戦経験者の近藤明広(一力)と10ラウンドをフルに戦って大差の判定勝ちを収めており、スタミナもテスト済みだ。

 佐々木はデビューから6戦目に4回判定勝ちを経験しているが、以後は5連続KO勝ちを収めている。11試合で戦った総ラウンド数は23。平均すると約2ラウンドで仕留めている計算になる。小細工はせずに左ジャブを飛ばしながら正面から圧力をかけ、中近距離で思い切り右フック、左フックを叩きつけるタイプだ。今年7月の湯場海樹(ワタナベ)戦では初回と2回にダウンを喫するという厳しい状況に追い込まれたが、相手が攻めてきたところに左フックを合わせ、劇的な逆転KO勝ちを収めている。ライバルが生観戦している前で課題を露呈したともいえるが、平岡と同じ長身サウスポーを攻め落としたという点では意味のある試合だったといえよう。

 平岡も70パーセントを超すKO率を残しているが、正面からの打ち合いはリスクが高過ぎる。足をつかいながら揺さぶりをかけ、自分の間合いを保ちながら隙を突いていくものと思われる。その策を徹底できればポイントを積み上げていけるはずだ。パワーで勝る佐々木は、いかにして相手を自分の距離とペースに巻き込むかがテーマといえる。開始早々に仕掛けて主導権を握り、相手を慌てさせて前に引き出すことができれば戦いやすくなるものと思われる。

両者はスパーリングで何度も手合わせしたことがあるだけに、ともに相手の手の内は分かっているはず。それをベースにして両陣営がどんな策を講じ、どんな指示を出すのかという点にも注目したい。(原功)

東日本ボクシング協会

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