[見どころ!]中谷潤人 vs.山内涼太


4月9日(土)

さいたまスーパーアリーナ

WBO世界フライ級タイトルマッチ

王者・中谷潤人(M.T)
vs.
挑戦者・山内涼太(角海老宝石)


中谷=1988年1月2日、三重県出身の24歳。左ボクサーファイター型。戦績:22戦全勝(17KO)。

山内=1995年1月15日、大阪府出身の27歳。右ボクサーファイター型。戦績:9戦8勝(7KO)1敗。


リードパンチがカギ
山内は距離を潰せるか


 中谷の2度目の防衛戦。当初、昨年12月にメキシコの選手を相手にV2戦が組まれた中谷だが、メインカードのゴロフキン対村田が延びたことにともない3ヵ月半延期。相手も山内に変更された。左(中谷)と右(山内)と構えの違いはあるものの両者とも77パーセント超のKO率を誇る強打者だけに、こちらもジャッジ不要の試合になりそうだ。

 中谷はフライ級にしては171センチと長身で、左構えから右ジャブを突いて相手をコントロールする術に長けている。外から巻き込むように打ち込むパンチ、最短距離で打ち抜くストレートと左は多彩で強い。右フック、左右アッパーに加えボディブローもある。昨年9月の初防衛戦ではアメリカのリングにも上がっており、経験値もアップしている。現時点では死角らしいものは見当たらない。

 挑戦者の山内はアマチュアで53戦(38勝14KO15敗)を経験後、5年前にプロデビューした。2戦目で東洋太平洋、3戦目で日本ランキング入りを果たしたあと5戦目にWBAインターナショナル王座の決定戦に出場したが、のちに世界挑戦するウラン・トロハツ(中国)に12回判定で敗れた。これが唯一の黒星だ。その後はWBOアジアパシフィック王座を獲得するなど4連勝(3KO)を収めている。

 ともに強打の持ち主だが、その前のリードパンチが巧みである点は共通している。自分のパターンに持ち込むために中谷は右ジャブ、山内は左ジャブがカギを握っているといえる。特に距離を縮めて戦いたい山内にとっては、中谷の長くて多彩な右は邪魔なはず。これにどう対応するかが課題になりそうだ。

 体格、プロでの経験値、引き出しの数など総合的な戦力で勝る中谷が有利であることは間違いないが、山内の右ストレート、左フックには注意が必要だ。(原功)

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