[見どころ!]7月13日(水)大田区総合体育館
WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ
王者・井岡一翔(志成)
Vs
挑戦者(元王者) ドニー・ニエテス(フィリピン)
井岡=1989年3月24日、大阪府出身の33歳。右ボクサー型。戦績:30戦28勝(15KO)2敗。
ニエテス=1982年5月13日、フィリピン出身の40歳。右ボクサーファイター型。戦績:50戦43勝(23KO)1敗6分。
4階級制覇者同士の再戦
充実の井岡が抜け出すか
4階級制覇王者の井岡が、2018年12月にマカオ(中国特別行政区)で対戦して惜敗したニエテスを迎えて5度目の防衛戦に臨む。ニエテスも3年7ヵ月前に井岡に勝って4階級制覇を成し遂げている元王者で、経験値の高い者同士の再戦となる。初戦はニエテスが競り勝ったが、今回は井岡に分がありそうだ。
井岡は2011年にミニマム級、2012年にライトフライ級、2015年にフライ級、そして2019年にスーパーフライ級で戴冠を果たし、日本初にして唯一の4階級制覇王者となった。現在の王座は指名挑戦者のジェイビエール・シントロン(プエルトリコ)、4階級制覇を狙った田中恒成(畑中)、元世界王者のフランシスコ・ロドリゲス(メキシコ)らを相手に4度防衛中だ。昨年の大晦日にはIBF王者との統一戦が決まっていたがコロナ禍の影響で先送りになり、さらに対抗王者が敗れたため宙に浮いたまま現在に至る。
ガードを高めに置いた安定感のある構えから左ジャブ、右ストレート、ボディブローと速い繋ぎで攻め込み、相手が出てくると足で距離とタイミングを外したりカウンターで迎え撃ったりと攻防の幅は広い。加えて前半、中盤、後半と戦い方を変えるなど戦術や駆け引きにも長けている。プロで13年、22度の世界戦を含め30戦をこなしており経験値も高い。
ニエテスも経験値と総合力の高い実力者だ。プロデビューは2003年4月だから、キャリアは足かけ20年ということになる。2007年9月にミニマム級、2011年にライトフライ級、2017年にフライ級、そして2018年に井岡に勝ってスーパーフライ級を制し、こちらも4階級で世界王座を獲得した実績を持っている。
もともとはパワーも売りのひとつだったが、階級を上げるにしたがってテクニックと戦術で競り勝つケースが多くなった。直近の10戦は8勝(2KO)2分で、井岡との初戦では硬軟織り交ぜたボクシングで微妙なラウンドを支配してふたりのジャッジから支持を得た。
ともに相手の手の内は熟知しているはずだが、それでも前半は駆け引きを交えた探り合いになりそうだ。ふたりとも中盤に入ってペースアップし、さらに終盤にかけても競り合いが続くものと思われるが、心身ともに充実期にある井岡が抜け出すと予想する。ボディブローでしっかりとお膳立てができれば中盤か終盤でのTKO防衛も考えられる。(原功)
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