[見どころ!]井岡一翔 vs.ジョシュア・フランコ

12月31日(土) 大田区総合体育館

WBA、WBO世界スーパーフライ級王座統一戦

WBO王者・井岡一翔(志成)
vs
WBA王者ジョシュア・フランコ(アメリカ)


井岡=1989年3月24日、大阪府出身の33歳。右ボクサーファイター型。戦績:31戦29勝(15KO)2敗。

フランコ=1995年10月27日、アメリカのテキサス州サンアントニオ生まれの27歳。右ボクサーファイター型。戦績:22戦18勝(8KO)1敗2分1無判定試合。

世界王者vs世界王者
中盤から終盤に井岡が抜け出すか

 3年半前に王座を獲得してからコンスタントに5度の防衛を重ねてきたWBO王者の井岡と、2020年6月にWBA王座を獲得して同じ相手との3連戦を経て1年4ヵ月ぶりにリングに上がるフランコが互いのベルトをかけて拳を交える。序盤から駆け引きを交えた高度な技術戦が見られそうだ。

 井岡は2011年にミニマム級、2012年にライトフライ級、2015年にフライ級で世界王座を獲得し、2019年6月に現在の王座を手に入れて日本初の世界4階級制覇を成し遂げた。世界戦だけで22戦(20勝10KO2敗)をこなし、またアメリカとマカオ(中国特別行政区)でも試合しており経験値を含めた総合力は高い。5ヵ月前には同じ4階級制覇王者のドニー・ニエテス(フィリピン)に12回判定で完勝、4年前の借り(判定負け)を返して自信を増しているはずだ。

 フランコは2015年8月にプロデビューし、2018年~2019年にかけての停滞期(1敗2引き分け)を乗り越え、2年半前にアンドリュー・マロニー(オーストラリア)に勝って王座獲得を成し遂げた。その戴冠試合が接戦だったため4ヵ月半後に再戦したがバッティングによる負傷で決着がつかず(2回無判定試合)、昨年8月に行われた3度目の対決で判定勝ち、自他ともに認める王者となった。今年7月にはWBAスーパー王者のファン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)との団体内王座統一戦が内定したが、のちにキャンセルとなったため試合間隔が1年4ヵ月も空いてしまった。

 攻撃重視の傾向があるフランコが積極的に手を出して主導権掌握を狙い、井岡はじっくり構えて相手の隙を突くボクシングを展開するものと思われる。フランコは肘を上げた独特の右ストレートを打ったあと左をフック、アッパーで繋げてくることが多い。虚を突いた左ボディブローにも注意が必要だろう。ただ、フランコは決定打に欠ける傾向があり、防御も堅いわけではないため井岡が付け入る隙は多そうだ。井岡がボディ攻撃で徐々にWBA王者の戦力を削ぎ落し、中盤から終盤にかけて攻め落としてしまう可能性が高いとみる。(原功)

東日本ボクシング協会

東日本ボクシング協会公式ホームページです。