[見どころ!]寺地拳四朗 vs.アンソニー・オラスクアガ

4月8日(土)有明アリーナ

WBC、WBA世界ライトフライ級タイトルマッチ

王者・寺地拳四朗(BMB)
vs
挑戦者アンソニー・オラスクアガ(アメリカ)


寺地=1992年1月6日、京都府出身の31歳。右ボクサーファイター型。戦績:21戦20勝(12KO)1敗。

オラスクアガ=1999年1月1日、アメリカのロサンゼルス生まれの24歳。右ファイター型。戦績:5戦全勝(3KO)。


防衛のカギは左ジャブ
挑戦者の強打には要注意


 寺地はWBO王者のジョナサン・ゴンサレス(プエルトリコ)と3団体の王座統一戦を予定していたが、ゴンサレスがマイコプラズマ肺炎に罹患して試合ができなくなったため急遽、オラスクアガに相手が変更された経緯がある。代役挑戦者のオラスクアガはプロでは5戦と経験は浅いが、パンチ力があるだけにゴンサレスよりも危険度は高い。

 2021年9月、寺地は矢吹正道(緑)に10回TKOで敗れWBC王座の9度目の防衛に失敗したが、半年後の再戦で3回KO勝ち、雪辱を果たすとともにベルトを取り戻した。その8ヵ月後にはWBAスーパー王者の京口紘人(ワタナベ)を7回TKOで破り2団体の王座を統一した。この2試合では序盤から積極的に攻めるボクシングを披露しており、ひと皮むけた感じを受ける。速くて正確な左ジャブ、破壊力のある右ストレート、左フックをボディと顔面に打ち分ける戦いぶりには迫力が感じられるようになった。巧さに強さが加わり、完成形に近づいている印象だ。充実の王者に不安があるとすれば、対戦相手がサウスポーの技巧派から右構えのファイターに変わった点だろう。3団体王座の統一戦が防衛戦に変わり、モチベーションの低下も危惧されるところだ。

 オラスクアガはアマチュアで23戦22勝1敗の戦績を残して2020年9月にプロデビュー。寺地に挑戦したサウル・フアレス(メキシコ)、ヒルベルト・ペドロサ(パナマ)を下してトップ戦線に浮上してきた。もともと4月15日に韓国で試合が予定されていたところに代役挑戦の話が舞い込んできたため、こちらはモチベーションを上げて試合に臨むことになる。プレッシャーをかけながら距離を詰めつつ右ストレートや左フック、アッパー系の強打を打ち込んでくる攻撃型で、一発一発のパンチが強いため寺地も注意が必要だ。

 12度の世界戦を経験している寺地が序盤から巧みな左ジャブで相手をコントロールできれば番狂わせの可能性は小さく抑えられそうだが、オラスクアガの圧力に押されて後手にまわるようだと苦戦も考えられる。とにかく24歳の挑戦者を序盤で調子づかせないことだ。(原功)

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