[見どころ!]井上拓真 vs.石田匠

5月6日(月=振替休日)東京ドーム

WBA世界バンタム級タイトルマッチ

王者・井上拓真(大橋)

vs.

挑戦者・石田匠(井岡)


井上=1995年12月26日、神奈川県出身の28歳。右ボクサーファイター型。戦績:20戦19勝(5KO)1敗。

石田=1991年11月17日、大阪府出身の32歳。右ボクサーファイター型。戦績:37戦34勝(17KO)3敗。

接戦の可能性大

駆け引きや陣営の策にも注目

 2月24日にジェルウィン・アンカハス(フィリピン)に右ボディブローを決めて鮮やかな9回KO勝ちを収め、WBA世界バンタム級王座の初防衛を果たした井上拓真が、わずか2ヵ月半のスパンでV2戦に臨む。挑戦者の石田はプロ15年選手で、37戦のキャリアを持つ実力者。2017年10月以来、7年近く待機して2度目の世界挑戦のチャンスを得た。意地と意地がぶつかり合う試合になりそうだ。

 井上拓真はアジア圏では頭ひとつ抜け出た存在だったが、世界では2度の戴冠を果たしたものの華々しい活躍というわけにはいかなかった。しかし、苦戦も予想されたアンカハス戦では相手の攻勢を受け止めたうえで巧みに迎え撃って着々と加点。9回、右ボディブローでダウンを奪い、そのまま10カウントを聞かせた。本人はもちろんのこと周囲をも納得させる内容と結果だった。「打ち合いが楽しくて試合中ににやけるほどだった」と井上拓真は話す。そして、この試合で得たものは多いが、「いちばんは自信」と言い切る。危機感を持って臨んだ試合で最高の結果を出したことで覚醒した印象だ。

 対する石田は満を持して2度目の大舞台に臨む。こちらもスーパーフライ級時代は日本王座を5度防衛するなど実績を残し、2017年10月には相手国に乗り込んでカリド・ヤファイ(イギリス)の持つWBA王座に挑戦。奮闘したものの12回判定負けという結果に終わった。その後、挑戦者決定戦と田中恒成(畑中)戦で惜敗したのを機にバンタム級に転向。昨年6月、ビクトル・サンティリャン(ドミニカ共和国)との挑戦者決定戦で12回判定勝ちを収めて今回のチャンスをつかんだ。左ジャブを多用しながら右ストレートに繋げるオーソドックスなタイプで、田中戦後は5連勝(2KO)を収めている。

 前戦で中間距離での戦いに自信をつけた井上拓真が圧力をかけ、石田が左ジャブで距離をキープしようとする展開になりそうだ。両者とも経験値が高く引き出しの数も多いだけに接戦になる可能性が高い。駆け引きや両陣営の指示にも注目したい。(原功)

東日本ボクシング協会

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