[見どころ!]ユーリ阿久井政悟 vs.桑原拓

5月6日(月=振替休日)東京ドーム
WBA世界フライ級タイトルマッチ
王者・ユーリ阿久井政悟(倉敷守安)
vs.
挑戦者・桑原拓(大橋)

阿久井=1995年9月3日、岡山県倉敷市出身の28歳。右ボクサーファイター型。戦績:22戦19勝(11KO)2敗1分。

桑原=1995年4月4日、大阪府出身の29歳。右ボクサーファイター型。戦績:14戦13勝(8KO)1敗。

返り討ち初防衛or雪辱&戴冠
再戦の舞台は世界

 今年1月、WBA世界フライ級王座を6度防衛中だった22戦全勝のアルテム・ダラキアン(アゼルバイジャン/ウクライナ)を攻略、戴冠を果たした阿久井の初防衛戦。挑戦者の桑原とは日本王者時代の2021年7月に対戦し、10回TKO勝ちを収めている。その後、阿久井は世界、桑原は東洋太平洋王座を獲得するなど出世。大舞台で3年ぶりに拳を交えることになった。

 阿久井はダラキアン戦では積極的に仕掛け、決定打こそ逃したが着々と加点して116対112、119対109、117対111の3-0判定で勝利。岡山県のジムに初の世界王座をもたらした。ダラキアン戦がそうだったように左ジャブから右ストレートに繋げる正統派の強打者で、1ラウンドKO勝ちが9度もある。その一方、直近の5戦に関しては10回判定、10回TKO(桑原戦)、10回判定、10回判定、12回判定(ダラキアン戦)と長期戦が続いている。経験値を大きく上げており、自信も増して初防衛戦に臨む。

 桑原はアマチュアで68戦50勝(10KO)18敗の戦績を残したあと2018年5月にプロ転向を果たした。阿久井戦以外の13試合では勝利を収めており、まずまず順調な歩みといっていいだろう。特に阿久井戦後は5連勝(4KO)と好調だ。世界挑戦経験者のジーメル・マグラモ(フィリピン)から東洋太平洋王座を奪い、昨年7月には同じく世界挑戦経験者のウラン・トロハツ(中国)に4回KO勝ちを収めて初防衛を果たしている。スピードとテクニックに長けたボクサーファイター型で、最近はパワーアップにも努めてきたという。

 3年前は初回に阿久井が先制のダウンを奪って優位に立つなか桑原が追い上げるという展開になったが、最終回に再び王者がダウンを奪ってけりをつけた。ともに左ジャブから組み立てるタイプだけに、まずはリードブローの差し合いに注目したい。特に序盤で流れに乗りたい桑原にとっては大事なラウンドが続くことになる。逆に阿久井が前半で主導権を握る展開になるようならば桑原は厳しい戦いを強いられそうだ。(原功)

東日本ボクシング協会

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