[見どころ!]中谷潤人 vs.ビンセント・アストロラビオ

7月20日(土)両国国技館
WBC世界バンタム級タイトルマッチ
王者・中谷潤人(MT)
vs.
挑戦者ビンセント・アストロラビオ(フィリピン)

中谷=1998年1月2日、三重県出身の26歳。左ボクサーファイター型。戦績:27戦全勝(20KO)

アストロラビオ=1997年4月1日、フィリピン出身の27歳。右ファイター型。戦績:23戦19勝(14KO)4敗

総合力で勝る中谷有利は不動
中盤から終盤のKO防衛か

 2月にアレハンドロ・サンティアゴ(メキシコ)を6回TKOで下して3階級制覇を成し遂げたWBC世界バンタム級王者の中谷が、WBC1位の指名挑戦者、アストロラビオを迎え撃つ。挑戦者の右強打には十分な注意が必要だが、両者の力関係から見て中谷のKO防衛が期待できそうだ。

 中谷はフライ級で3試合、スーパーフライ級で2試合、そして先のサンティアゴ戦と合計6度の世界戦で6勝(5KO)をマークしている。ほぼ危なげない内容で力の差を見せつけてきたといっていい。172㎝の長身サウスポーで、長中短どの距離でも戦えるうえパンチは多彩で威力がある。経験も上積みされてきており、まだまだ総合力は伸びていきそうだ。

 挑戦者のアストロラビオは3年ほど前まではノーマークの選手だったが、2022年2月に元世界2階級制覇王者のギジェルモ・リゴンドー(キューバ)からダウンを奪って判定勝ち、一躍トップ戦線に割り込んできた。次戦でも世界ランカーに圧勝(6回KO勝ち)を収めたが、ジェイソン・マロニー(オーストラリア)とのWBO王座決定戦では僅少差の判定で敗れた。それでも昨年8月のWBC挑戦者決定戦を勝ち抜き、今回の切符を手に入れた。プレッシャーをかけながら右ストレート、右フックを狙うスタイルで、小細工をするタイプではない。近距離での左右フック、右アッパーも強い。

 中谷はサンティアゴ戦と同じように序盤は慎重に右ジャブを多用しながら距離とタイミングを計り、相手の力量や癖が分かってからペースアップするものと思われる。アストロラビオは相打ち覚悟でパンチを強振してくるため気の抜けない時間が続きそうだが、一発を食わなければ大きなトラブルに陥ることはないとみる。中盤から終盤にかけて中谷が仕留めそうだ。(原功)

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