[見どころ!]ユーリ阿久井政悟 vs.タナンチャイ・チャルンパック

10月13日(日) 有明アリーナ
WBA世界フライ級タイトルマッチ
王者・ユーリ阿久井政悟(倉敷守安)
vs. 
挑戦者タナンチャイ・チャルンパック(タイ)

阿久井=1995年9月3日、岡山県出身の29歳。右ボクサーファイター型。戦績:23戦20勝(11KO)2敗1分

タナンチャイ=2000年4月16日、タイ出身の24歳。右ボクサーファイター型。戦績:26戦25勝(15KO)1敗


阿久井の右ストレートが炸裂か


 今年1月に長期政権を誇ったアルテム・ダラキアン(アゼルバイジャン/ウクライナ)からWBA世界フライ級王座を奪い、5月に桑原拓(大橋)の挑戦を退けた阿久井のV2戦。挑戦者のタナンチャイは8月に来日して畑中健人(畑中)からWBOアジアパシフィック王座を奪うなど勢いがあるだけに油断できない。

 阿久井は2019年に日本王座を獲得し、3度防衛後に返上。この間、コロナ禍のなか一時は年間1試合というスローペースになったが、今年1月に22戦全勝のダラキアンを攻略して戴冠を果たした。5月には初防衛にも成功し、今年は2017年以来の年間3試合となる。このところ4試合続けて判定勝ちとなっている阿久井だが、11KOのうち9試合が初回KOで、そのほとんどが右ストレートによるものだ。

今回の試合で久々に大砲が火を噴きそうな気がする。

 タナンチャイはデビュー2戦目で4回判定負けを喫したが、その後は24連勝を収めている。畑中戦の4ヵ月前にはWBCアジア王座も獲得しており、今年だけでも4連勝と勢いを増している印象だ。こちらも右ストレートが主武器で、阿久井ほどの破壊力はないものの切れがある。ニックネームは「キングコブラ」。

 このところ長丁場の試合が続いたことで試合運びやスタミナ配分も巧みになってきた阿久井が、「意識して練習してきた」という左ジャブで挑戦者をコントロールする可能性が高い。プレッシャーをかけながら相手の可動範囲を狭めたうえで繰り出す右が当たればKO防衛が見えてくる。ただし、誘い込んでから繰り出すこともあるタナンチャイの右には十分な注意が必要だ。(原功)

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