[見どころ!]増田陸 vs.宇津見義広

11月2日(土)後楽園ホール
日本バンタム級タイトルマッチ
王者・増田陸(帝拳)
vs.
挑戦者・宇津見義広(ワタナベ)

増田=1997年9月23日、広島県出身の27歳。左ボクサーファイター型。戦績:6戦5勝(5KO)1敗

宇津見=1984年3月1日、東京都出身の40歳。右ボクサーファイター型。戦績:34戦17勝(10KO)11敗6分

世界を見据える増田の初防衛戦
挑戦者は40歳のベテラン

 今年7月、富施郁哉(ワタナベ)に4回KO勝ちを収めて日本王座を獲得した増田の初防衛戦。増田は富施戦の5ヵ月前に世界ランカーのジョナス・スルタン(フィリピン)にも1回KO勝ちを収めており、現在はWBA8位、WBC14位、IBF13位、WBO13位の肩書を持っている。単なる防衛戦ではなく、そう遠くない将来の世界挑戦に向けて40歳の大ベテランを相手にどんなパフォーマンスを見せるのか注目される。

 増田はアマチュアで66戦52勝(22KO)14敗の戦績を残し2022年7月にプロデビュー。昨年8月、4戦目に堤聖也(角海老宝石)の持つ日本王座に挑んで小差の10回判定負けを喫したが、それが唯一の黒星だ。その堤が世界王者になったことは、自身の近未来に関してモチベーションを高める契機になったものと思われる。左構えから繰り出す破壊力抜群の左ストレートに加え、先の富施戦では右フックでKO勝ちを収めており、一戦ごとに総合力を上げてきている。

 宇津見は2004年9月にプロデビューした20年選手で、35戦目にして初の日本王座挑戦となる。11度の敗北を経験してきたが、KO(TKO)によるものは2015年の韓国遠征でIBFアジア王座に挑んで7回TKO負けを喫したものと、2018年の中嶋一輝(大橋)に同じく7回TKOで敗れた2度だけだ。じわじわと圧力をかけ中近距離の戦いで顔面とボディにパンチを打ち分けるタイプで、ワンツーのほか右から入って左に繋げるパターンなど変則的な面もある。

 キャリア6戦ながら中身が濃く決め手を持つサウスポーの増田が有利であることは動かしがたい。早い段階で距離とタイミングをつかんだ場合は躊躇せずに左ストレートを繰り出すものと思われる。

 戴冠試合で見せた右も挑戦者を脅かしようだ。一方の宇津見は相手の正面に立たずに変則的な動きで的を絞らせないようにしたい。そのうえで執拗に食い下がって上下にパンチを打ち分けて勝機を広げたいところだ。(原功)

東日本ボクシング協会

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