[見どころ!]中嶋一輝 vs.辰𠮷寿以輝

12月12日(木)後楽園ホール
東洋太平洋スーパーバンタム級タイトルマッチ
王者・中嶋一輝(大橋)
vs.
挑戦者・辰𠮷寿以輝(大阪帝拳)

中嶋=1993年5月28日、奈良県出身の31歳。左ボクサーファイター型。戦績:19戦16勝(13KO)2敗1分

辰𠮷=1996年8月3日、大阪府出身の28歳。右ボクサーファイター型。戦績:17戦16勝(10KO)1分

経験と技術で勝る中嶋
辰𠮷はパワー勝負か
KO決着必至

 同門の武居由樹が返上して空位になっていた王座を今年2月に獲得した中嶋のV2戦。挑戦者の辰𠮷は元WBC世界バンタム級王者、辰𠮷丈一郎(大阪帝拳)の次男。中嶋が68パーセント、辰𠮷が59パーセントと、ともに高いKO率を誇る攻撃型同士のカードだけにKOで決着がつきそうだ。

 中嶋はアマチュアで87戦(72勝30KO15敗)を経験後、2017年6月にプロに転向。のちに世界王者になる堤聖也(角海老宝石)と引き分けたあと2021年5月に東洋太平洋バンタム級王座を獲得したが、初防衛戦で栗原慶太(一力)に3回TKOで敗れた。これを機にスーパーバンタム級に転向し、昨年2月にWBOアジアパシフィック王座に就いた。しかし4ヵ月後、元世界王者のTJドヘニー(オーストラリア)に4回TKO負けを喫し、またも防衛することなくベルトを手放した。現王座に関しては今年2月に獲得後、8月には世界挑戦経験者の和氣慎吾(FLARE山上)を2回KOで退けて鬼門ともいえる初防衛を果たし、自信を増して今回の防衛戦に向かう。現在はWBA12位、WBC14位にランクされている。

 辰𠮷は「カリスマ王者の息子」としてデビュー当時から注目を集めてきた選手だが、最近はひとりのホープとして期待されている。

 プロデビューは中嶋よりも2年早い2015年4月だが、コロナ禍のなか故障で2年9ヵ月のブランクがあるため試合数は17に留まっている。昨年8月に戦線復帰後は3連勝を収めている。今年5月の前哨戦では中嶋と同じサウスポーの相手を8回判定で下している。まだ10回戦と王座挑戦の経験がないため、初挑戦がいきなりの12回戦となる。

 サウスポーの中嶋は右ジャブで探りを入れ、左ストレートから連打に繋げる機会を狙うことになるだろう。前半はリスクを小さく抑えながら経験とテクニックを生かして加点し、流れを見ながら中盤から終盤にペースアップしてKOを狙うプランか。

 一方の辰𠮷は相手の正面に立たずに逆に左ジャブ、左フックで中嶋を煽りたいところ。これまでサウスポーとの試合で苦戦することが目立った辰𠮷が課題を克服しているかどうか。長丁場とリスクを過剰に意識せず、序盤から飛ばしてパワー勝負に持ち込みたい。(原功)

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