[見どころ!]武居由樹 vs.ユッタポン・トンデイ

5月28日(水)横浜BUNTAI
WBO世界バンタム級タイトルマッチ
王者・武居由樹(大橋)
vs.
挑戦者 ユッタポン・トンデイ(タイ)

武居=1996年7月12日、東京都出身の28歳。左ボクサーファイター型。戦績:10戦全勝(8KO)

ユッタポン=1993年8月16日、タイ出身の31歳。右ボクサーファイター型。戦績:15戦全勝(9KO)

2度の延期を経て実現する武居のV2戦

 昨年5月にジェーソン・モロニー(オーストラリア)を破って戴冠を果たした武居のV2戦。当初は昨年12月24日に対戦する予定だったが、メインカードの井上尚弥(大橋)対サム・グッドマン(オーストラリア)が1ヵ月延びたため武居の試合も延期された。その後、武居が右肩を痛めたため再延期になっていた経緯がある。

 武居は2021年3月にプロデビューし、5戦目に東洋太平洋スーパーバンタム級王座を獲得。翌2024年5月に9戦目で世界一の座に駆け上った。初防衛戦では比嘉大吾(志成)との激闘を僅少差の判定で制している。身長170㎝のサウスポーで、主武器は独特の間合いから繰り出す左ストレート。これを顔面、ボディに巧みに打ち分けてダウンシーン、KOシーンを生み出してきた。モロニー戦では最終回にダウン寸前のピンチに陥ったが、比嘉戦では逆に最終回の猛攻で貴重なポイントを奪っている。この2戦で経験値は大きくアップしたものと思われる。

 ユッタポンはアマチュアを経て2020年7月にプロ転向を果たした。アマチュア時代には五輪2大会金メダリストのロベイシ・ラミレス(キューバ)に相手国で勝ったこともある。プロでは15戦全勝(9KO)の快進撃を続けている。身長160㎝と小柄だが、胸板は厚く首も太い。頭を小さく振りながらリズムを刻んでタイミングのいい左ジャブを突いてくる。距離が合うと打撃戦のなかで右ストレート、右アッパーを強振することが多い。

 体格とパンチ力で勝る武居は前半、ロングレンジで様子を見ながら主導権掌握を狙うものと思われる。これに対し距離を詰めたいユッタポンは積極的に仕掛けてくる可能性が高い。武居が挑戦者の左ジャブに惑わされることなく中長距離をキープしながら戦うことができれば流れを引き寄せられそうだ。(原功)

東日本ボクシング協会

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