[見どころ!]中谷潤人 vs.西田凌佑
6月8日(日) 有明コロシアム
WBC、IBF世界バンタム級王座統一戦
WBC王者・中谷潤人(M.T)
vs.
IBF王者・西田凌佑(六島)
中谷=1998年1月2日、三重県出身の27歳。左ボクサーファイター型。戦績:30戦全勝(23KO)
西田=1996年8月7日、奈良県出身の28歳。左ボクサーファイター型。戦績:10戦全勝(2KO)
全勝のサウスポー対決
まずは序盤の攻防に注目
WBA休養王者の堤聖也(角海老宝石)を含め日本人4人が世界王座に君臨するバンタム級で、ついに王座統一戦が実現する。しかも全勝同士のサウスポー対決だ。統一王者になるのは「ビッグバン」中谷か、それとも「ブラックホール」西田か。
身長173㎝、リーチ174㎝と体格に恵まれた中谷は77パーセントのKO率が示すとおりの万能型の強打者で、バンタム級に転向してからは4連続KO勝ち中だ。最大の武器はどの距離でも打ち込める左ストレートだが、右フックやボディブローも強い。こうした決め手となるパンチだけではなく探り針ともいえる右ジャブも巧みで、相手をコントロールする技術にも長けている。海外試合も含め世界戦のリングに9度上がっており(9勝8KO)、経験値も上がってきている。競った状態での後半勝負や打たれ強さなど未知の面もあるが、裏返せばそれらを経験しないほど圧勝が続いてきたということでもある。1年後には井上尚弥(大橋)との対戦が期待されているが、「いまは西田選手との試合に集中している」と話しており、死角は見当たらない。
西田はアマチュアで50戦(37勝13敗)を経験後、2019年10月にプロ転向。4戦目に比嘉大吾(志成)を破ってWBOアジアパシフィック王座を獲得し、挑戦者決定戦を経て昨年5月に初の世界戦に臨んだ。このエマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)戦は不利の予想が多かったが、自ら接近戦を仕掛けて4回には左ボディブローでダウンを奪って判定勝ち。わずか9戦目でIBF王座を奪取した。7ヵ月後の初防衛戦でもボディブローを炸裂させて7回KO勝ちを収めている。中谷ほどではないが西田も身長170㎝、リーチ173㎝とバンタム級では大柄だ。世界戦は2度だが、すでに12ラウンドをフルに5度戦い切った経験を持っており長丁場の戦いも心得ている。
攻撃力では中谷が勝るが、ここ2戦で西田も積極的に中近距離での戦いを仕掛けており、まずは両王者がどの距離で戦う選択をするのか注目したい。パンチ力や攻撃の多彩さで上回る中谷が序盤から主導権を握るようだと一方的な展開になる可能性もあるが、逆に西田が序盤で先手を取りWBC王者を後退させる展開に持ち込めれば勝負の行方は分からなくなりそうだ。(原功)
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