[見どころ!]堤聖也 vs. ノニト・ドネア
12月17日(水)両国国技館
WBA世界バンタム級タイトルマッチ
王者 堤聖也(角海老宝石)
vs.
暫定王者・ノニト・ドネア(フィリピン/アメリカ)
堤=1995年12月24日、熊本県出身の29歳。スイッチ・ファイター型。戦績:15戦12勝(8KO)3分
ドネア=1982年11月16日、フィリピン出身の43歳。右ボクサーファイター型。戦績:51戦43勝(28KO)8敗
スイッチヒッター vs キャリア24年のレジェンド
堤が「レジェンド」と称する元世界5階級制覇王者のドネアを相手に2度目の防衛戦に臨む。ドネアが暫定王者でもあるためWBA団体内統一戦となる。
堤は昨年10月、井上拓真(大橋=現WBC王者)に12回判定勝ちを収めて王座を獲得し、今年2月には元WBC世界フライ級王者の比嘉大吾(志成)との激闘を引き分けで乗り切った。しかし、その後に目の手術に臨んだため“休養王者”にスライド。秋になって戦線復帰が具体化したタイミングで、今度は正王者のアントニオ・バルガス(アメリカ)が休養を必要としたため堤が正王者に復帰したという経緯がある。一方のドネアは堤が休養中の6月に暫定王座を獲得している。
構えを左右にスイッチしながら距離を潰して中近距離の乱打戦に引きずり込む堤に対し、経験豊富なドネアは左フックという切り札を持つ。そのため堤は「偉大なチャンピオンと世界戦で戦えるので嬉しいが、怖いという感情もある。全盛期は過ぎたとはいえドネアはドネア」と心情をストレートに明かし、警戒している。
対するドネアは11月に43歳になった。全盛期とされる2010年~2012年から10年以上が経ち、直近の6戦は3勝3敗と苦しんでいる。井上尚弥(大橋)との初戦では見せ場をつくったものの再戦では2回TKOで完敗。再起戦となったWBC王座決定戦でもアレハンドロ・サンティアゴ(メキシコ)に敗れている。今年6月に暫定王座を獲得したが、芳しい内容ではなかった。それでもドネアは「試合勘が戻ってきた」と手応えを得た様子だ。
まずは目の手術を経ての戦線復帰となる堤が左右どちらの構えでスタートするのか注目したい。そしてドネアが自ら仕掛けるのか、それとも迎え撃つ構えをみせるのか、そのあたりも気になるところといえる。前半は互いに偵察に時間を割く可能性があるが、中盤あたりから激しい攻防が見られそうだ。堤有利の声が多いのは当然といえるが、やはりドネアの左フック、右ストレート、勝負強さは侮れない。(原功)
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