【見どころ】経験値と決め手で勝る井岡のKO防衛が濃厚

12月31(火)大田区総合体育館
WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ
王者 井岡一翔(Reason大貴)vs ジェイビエール・シントロン(プエルトリコ)挑戦者

 今年6月に日本のジム所属選手として初の世界4階級制覇を成し遂げた井岡が、その初防衛戦でWBO1位の指名挑戦者シントロンを迎え撃つ。高度な技術戦が見られそうだが、経験値と決め手で勝る王者のKO防衛が濃厚だ。

 井岡は11年2月にミニマム級王座、12年12月にライトフライ級王座、15年4月にフライ級で世界王座を獲得。そして半年前の決定戦でアストン・パリクテ(フィリピン)を10回TKOで下して現在の王座を手に入れた。10年のプロキャリアで26戦24勝(14KO)2敗の戦績を残しているが、そのうち17戦は世界王座のかかった試合だ(15勝9KO2敗)。加えてマカオ(中国特別行政区)やアメリカのリングで戦ったこともあり、総合的な経験値は高い。先のパリクテ戦では長身の強打者を相手に巧みな戦い方を披露し、勝負どころで一気に詰めてみせた。

 挑戦者のシントロンはアマチュア時代に12年ロンドン大会、16年リオデジャネイロ大会と2度の五輪出場を果たしたあと17年4月にプロに転向。2年8ヵ月のキャリアで12戦11勝(5KO)1無効試合という戦績を残している。今年5月の江藤光喜(白井・具志堅)戦では偶然のバッティングで“ダウン”。リング内を弱々しく遊泳するシーンが印象的だったが、2ヵ月半後の再戦ではダウンを奪って10回判定で完勝している。シントロンはサウスポーのボクサー型で、足をつかいながらスピードに乗った左右を繰り出すタイプといえる。

 王者がガードを高く上げた構えで圧力をかけながら様子を探り、挑戦者がフットワークを駆使しながら距離を保とうとする展開でスタートしそうだ。まずは井岡の左ジャブ、シントロンの右ジャブと互いの位置どりに注目したい。井岡がサウスポーと対戦するのはプロでは6度目だが、13年5月以来6年半ぶりとなる。そのあたりに一抹の不安は残るが、前半で相手の可動範囲を狭めるような動きができれば、踏み込んで打つ右ストレートや左ボディブローが機能しそうだ。その延長線上にKO防衛が見えてくるものと思われる。(原功)

井岡=1989年3月24日、大阪府出身の30歳。Reason大貴ジム所属。右ボクサーファイター型。戦績:26戦24勝(14KO)2敗。

シントロン=1995年2月8日、プエルトリコ出身の24歳。左ボクサー型。戦績:12戦11勝(5KO)1無効試合。

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