【見どころ】油断は禁物……だが王者・田中が圧倒か

12月31日(火)大田区総合体育館
WBO世界フライ級タイトルマッチ
王者 田中恒成(畑中)vs ウラン・トロハツ(中国)挑戦者

 昨年9月に木村翔(青木)を破って3階級制覇を成し遂げた田中が、3月、8月に続いて今年3度目の防衛戦に臨む。油断は禁物だが、スピードとテクニックで挑戦者を圧倒しそうだ。

 田中はプロ転向1年半後の15年5月に国内最速記録となる5戦目でWBO世界ミニマム級王座を獲得し、翌16年12月にライトフライ級、そして15ヵ月前にフライ級と3階級を制覇してきた。8度の世界戦のなかには圧勝もあるが、今年8月のV2戦のように相手にポイントでリードを許したなかでの逆転KO(TKO)勝ちもある。秀でたスピードとテクニックを持ちながら瞬間的に集中力を欠くことがあり、そこに被弾してダウンを喫することがある。そのため良くも悪くもスリリングな試合が多い。

 挑戦者のトロハツは中国のウイグル地区ウルムチ出身のボクサーで、2年前には来日して後楽園ホールで試合をしたこともある。そのときは6回引き分けに終わったが、18年以降は8連勝(5KO)をマーク。今年3月にはプロで4連勝をマークしていた山内涼太(角海老宝石)とWBAインターナショナル王座の決定戦で拳を交え、12回判定勝ちを収めている。3回に右アッパーで山内を倒したものの6回には自分もカウントを聞かされるというダウン応酬の試合だった。トロハツについて山内は「体力があり、ディフェンスも巧い。思ったよりパンチもあった」と話している。

 ガードを高く上げながらトロハツが前進、田中が左ジャブを突きながら迎え撃つ展開が予想される。スピードとテクニックで勝る田中が加点しながらKOのチャンスを探ることになりそうだが、トロハツの左右フック、至近距離で突き上げる右アッパーは要注意といえる。(原功)

田中=1995年6月15日、岐阜県出身の24歳。畑中ジム所属。右ボクサーファイター型。戦績:14戦全勝(8KO)。

トロハツ=1993年3月5日、中国出身の26歳。右ボクサーファイター型。戦績:17戦13勝(6KO)3敗1分。

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