【見どころ】37歳の王者 vs 36歳の挑戦者!ベテラン対決

12月23日(月)横浜アリーナ
IBF世界フライ級タイトルマッチ
王者 モルティ・ムザラネ(南アフリカ)vs 八重樫東(大橋)挑戦者

 すでに3階級制覇を成し遂げている八重樫が、フライ級で2度目となる戴冠を狙ってムザラネに挑む。37歳のムザラネがキャリア19年、36歳の八重樫がキャリア14年、経験値の高いベテラン同士のカードだけに駆け引きを交えた好勝負が期待できる。

 八重樫はミニマム級(11年10月~12年6月)、フライ級(13年4月~14年9月)、ライトフライ級(15年12月~17年5月)の順で世界王座を獲得したが、このところ大きな舞台から2年半遠ざかっている。この間、スーパーフライ級の体重で3連続TKO勝ちを収めている。ちなみにフライ級の体重で戦うのは4年4ヵ月ぶりとなる。世界戦だけで13試合(8勝3KO5敗)しているだけに問題はないと思われるが、まずはウェート調整を含めた当日のコンディションに注目したい。

 ムザラネは9度の世界戦(8勝5KO1敗)を含め40戦して38勝(25KO)2敗と高い勝率を誇る。09年11月~12年の第一次政権時にはゾラニ・テテ(南アフリカ共和国)、ジョンリエル・カシメロ(フィリピン)をともに5回TKOで下して防衛を果たしており、遡って再評価されている。現在の王座は昨年7月に獲得したもので、初防衛戦で坂本真宏(六島)に10回TKO勝ち、来日試合となったV2戦では黒田雅之(川崎新田)に12回判定勝ちを収めている。顔面とボディを縦ガードで守りながら執拗に左ジャブを繰り出し、射程が合うと右のクロスを打ち込む攻撃パターンを確立しており、KO率は約63パーセント高い。世界戦で日本のほか米国、イタリア、パナマ、マレーシア、中国で戦った経験を持っているのも強みだ。

 ムザラネの戦闘スタイルは今回も変わることはないとみていいだろう。ガードを固めながら圧力をかけ、左ジャブから右に繋げるボクシングを徹底するものと思われる。これに対し八重樫がどう出るか。足をつかいながらテクニック主体のボクシングでポイントアウトを狙うのか、それとも闘志を前面に出して打ち合いを挑むのか。挑戦者コーナーが練る戦略、戦術にも注目したい。(原功)

ムザラネ=1982年10月6日、南アフリカ共和国出身の37歳。右ボクサーファイター型。戦績:40戦38勝(25KO)2敗。

八重樫=1983年2月25日、岩手県出身の36歳。大橋ジム所属。右ボクサーファイター型。戦績:34戦28勝(16KO)6敗。

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