【見どころ】フィリピンの「ハンマー」を迎え撃つ吉野、序盤は要注意…
10月10日(木)後楽園ホール
東洋太平洋&WBOアジアパシフィック ライト級王座決定戦
吉野修一郎(三迫)vs ハルモニート・デラ・トーレ(フィリピン)
日本ライト級王座を4連続KO防衛中の吉野が、次のステップとして東洋太平洋およびWBOアジアパシフィック王座の決定戦に臨む。相手のデラ・トーレは「ハンマー」というニックネームを持つ強打者だけに、吉野にとっては気の抜けない試合になりそうだ。
吉野はアマチュアで124戦104勝20敗の戦績を残し、4年前にプロに転向。4戦目で元日本&東洋太平洋王者の加藤善孝(角海老宝石)に8回判定勝ちを収め、その半年後には日本ライト級王座を獲得した。以後、2年間に4度の防衛を果たしている。着実に総合力がアップしていることに加え、6連続KO勝ちと勢いもある。フェイントを交えながら繰り出すワンツー、顔面とボディへの打ち分けと攻撃は多彩だ。経験値が加わればさらにスケールが増すものと思われる。現在はWBCで36位にランクされている。
デラ・トーレは22戦20勝(12KO)2敗の戦績を残している25歳で、自国のほか中国特別行政区マカオ(2度)、アメリカ(3度)、さらに2年前にはマレーシアのリングに上がった経験を持つ。デビューから19連勝後、現WBC世界フェザー級1位のトゥグソット・ニャンバヤル(モンゴル)に8回判定負けを喫したが、2回にはダウンを奪っている。マレーシアでは2回KO負けを喫しており、6回判定勝ちを挟んで今回が再起第2戦となる。細かな部分にはこだわらず左右のフックを思い切り叩きつけてくる好戦型で、中近距離で突き上げる右アッパーにも注意が必要だ。
吉野にとってデラ・トーレは決して戦いやすいタイプとはいえなそうだ。特に距離感やタイミング、パンチの軌道が分かりづらい序盤は慎重に構える必要があるかもしれない。そのなかで左ジャブ、右ストレート、ボディブローを打ち込めればポイントを奪えるはずだ。序盤から目の離せない展開になりそうだが、中盤から終盤に吉野が差を広げると予想する。(原功)
吉野=1991年9月28日、栃木県出身の28歳。三迫ジム所属。右ボクサーファイター型。戦績:10戦全勝(8KO)。
デラ・トーレ=1994年2月19日、フィリピン出身の25歳。右ファイター型。戦績:22戦20勝(12KO)2敗。
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