【見どころ】創造性に富む阿部、右強打に定評の佐川
9月13日(金)後楽園ホール
日本フェザー級王座決定戦
阿部麗也(KG大和)vs 佐川遼(三迫)
源大輝(ワタナベ)が返上して空位になった王座の決定戦。5月に源と引き分けている阿部が2度目の王座挑戦で戴冠を果たすのか、それとも右ストレートに定評のある佐川が国内トップの座に上り詰めるのか。序盤から目の離せない攻防が見られそうだ。
阿部はスピーディーなアウトボクシングをベースにした創造性豊かなサウスポーで、日本1位のほかWBC11位、IBF6位にランクされている。源戦では1回と2回に右を浴びてダウンを喫し序盤で4ポイントのビハインドを負ったが、諦めずに追い上げて引き分けに持ち込んだ。王座を奪うことはできなかったが、王者と同等の力があることは示したといえる。同時に右で2度のダウンを喫している点に不安もつきまとう。
佐川はアマチュアで84戦(62勝22敗)を経験後、16年12月にプロデビュー。2戦目に2回TKO負けを喫したものの、その後は6連勝(3KO)と好調だ。昨年9月には、世界挑戦後の再起戦となった松本亮(大橋)に右を狙い撃ちして3回TKO勝ち。次戦で日本ランカーを8回TKOで下したあと、今年5月にはフィリピン遠征で12回判定勝ちを収めている。着実に総合力と経験値を上げていることが分かる。
スタートからテンポよく試合をつくりにいく阿部に対し、佐川は右ストレートを狙うものと思われる。阿部は源戦で右を浴びて2度のダウンを喫しているだけに、佐川の右には十分な注意が必要だろう。これを序盤に被弾するようだと厳しい戦いを覚悟せねばなるまい。一方、右という決め手を持つ佐川だが、こちらは阿部の可動範囲を狭めるための工夫が求められる。単調な動きのなかで右狙いにこだわるようだと、逆に阿部の左ストレートや右フックを浴びる危険性が高まりそうだ。(原功)
阿部=1993年3月25日、福島県出身の26歳。KG大和ジム所属。左ボクサーファイター型。戦績:22戦19勝(9KO)2敗1分。
佐川=1994年3月13日、青森県出身の25歳。三迫ジム所属。右ボクサーファイター型。戦績:8戦7勝(4KO)1敗。
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