【見どころ】攻撃型の王者 vs 迎撃型の挑戦者 序盤から主導権争いか

8月23日(金)後楽園ホール
東洋太平洋フライ級タイトルマッチ
王者ジェイアール・ラクィネル(フィリピン)vs粉川拓也(角海老宝石)挑戦者

 元東洋太平洋スーパーフライ級王者で日本フライ級王座に2度君臨した実績を持ち、世界王座に挑戦した経験もある粉川が、ラクィネルの持つ東洋太平洋フライ級王座に挑む。粉川はスピードと手数でラクィネルの強打を封じることができるか。

 この5月、粉川はジム移籍初戦でサウスポーの相手に辛勝したが、

今回のラクィネルも同じ左構えということで前戦がプラスに作用しそうだ。粉川は14年のプロキャリアを持つ34歳のベテランで、日本、東洋太平洋、世界とタイトルマッチへの出場は14度を数える。過去に5度の敗北を喫しているがKO負けはない。不倒というわけではないが、危機察知能力に長けているのだろう。

 そんな粉川の挑戦を受けるラクィネルはひと回り若い22歳で、12戦10勝(7KO)1敗1分と軽量級にしては高いKO率を誇る。積極的に上下にパンチを打ち分けて出てくる攻撃的なサウスポーで、特に左が強い。適度にラフなため、相手にとっては戦いにくいタイプといえそうだ。今回の試合に備え、昨年3月にラクィネルと戦い9回KO負けを喫した中山佳祐(ワタナベ)とスパーリングをこなしてきた粉川は、中山から「右も左もパンチは強いので要注意」とアドバイスを受けており、十分に警戒してリングに上がるはずだ。(原功)

 前に出ながら仕掛けてくるラクィネル、足をつかいながら距離を保とうとする粉川。序盤は主導権争いが展開されそうだ。ラクィネルの圧力に抗いきれず後手に回るようだと挑戦者は厳しい戦いを強いられることになるかもしれない。粉川とすれば早い段階でペースをつかんでおき、リードを奪った状態で中盤から終盤を迎えたい。

ラクィネル=1997年2月1日、フィリピン出身の22歳。左ボクサーファイター型。戦績:12戦10勝(7KO)1敗1分。

粉川=1985年4月5日、東京都出身の34歳。角海老宝石ジム所属。右ボクサー型。戦績:36戦30勝(13KO)5敗1分。

東日本ボクシング協会

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