【見どころ】黒田が2度目の世界挑戦!攻略の糸口はボディブローか

5月13日(月)後楽園ホール
IBF世界フライ級タイトルマッチ
王者 モルティ・ムザラネ(南アフリカ)vs 黒田雅之(川崎新田)挑戦者

 17年から18年にかけて日本フライ級王座を4度防衛した黒田が、8度の世界戦を経験(7勝5KO1敗)している36歳のベテラン、IBF同級王者のムザラネに挑む。ともに攻撃力があるだけに序盤から白熱した攻防が見られそうだ。

 05年にプロデビューした黒田は翌年の全日本新人王に輝き、11年には日本ライト・フライ級王座を獲得した。しかし、12年から14年にかけて5試合も勝利から遠ざかった(2敗3引き分け)時期がある。敗北のうちのひとつはファン・カルロス・レベコ(アルゼンチン)の持つWBA世界ライト・フライ級王座に挑んで判定で敗れたものだ。さらにメキシコ遠征で挫折を味わい、日本タイトルマッチでも惜敗と苦しい状況は続いた。その後、30歳を過ぎてからフライ級で日本王座を獲得すると、ダウンを挽回して接戦を勝ち抜くなど勝負と良さを発揮して6連勝(2KO)と好調だ。

 ムザラネは2000年12月にプロデビューしたベテランで、IBF世界フライ級王座は2度獲得している。第一次政権は09年から12年にかけてで、このときはゾラニ・テテ(南アフリカ共和国=現WBO世界バンタム級王者)を5回TKOで屠るなど4連続KO防衛を果たしている。現在の王座は昨年7月、ムハマド・ワシーム(パキスタン)との決定戦で12回判定勝ちを収めて手にしている。12月には坂本真宏(六島)の挑戦を10回TKOで退けた。ムザラネは両脇を絞った高い縦ガードで顔面をカバーしながら前進し、左ジャブを飛ばしたあと左右の連打を見舞う戦闘スタイルを確立している。ガードは堅いが、相手が攻めてきたときは守りに徹する傾向がある。また、ワシーム戦ではアゴに被弾してダウンを喫しており、決して打たれ強いタイプではない。

 身長とリーチで勝る黒田は、まず左ジャブの突き合いの際に直線的に下がらないことが重要だろう。そのうえで相手の左に右ストレートを合わせることができれば王者の戦力を削ぐこともできよう。ムザラネの前進力、パンチの回転力、経験値の高さは侮れないが、

テテを攻め落としたころの馬力は感じられない。黒田にも十分にチャンスがあるカードといっていいだろう。ムザラネのガードを下げさせるためにも、そして自身が重心を落として戦うためにも黒田は前半に相手のボディを攻めたい。(原功)

ムザラネ=1982年10月6日、南アフリカ共和国出身の36歳。右ボクサーファイター型。戦績:39戦37勝(25KO)2敗。

黒田=1986年7月17日、東京都出身の32歳。川崎新田ジム所属。右ボクサーファイター型。戦績:40戦30勝(16KO)7敗3分。

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