【見どころ】王者サルダールの右、挑戦者・谷口の左に注目


2月26日(火)後楽園ホール
WBO世界ミニマム級タイトルマッチ
王者 ビック・サルダール(フィリピン) vs 谷口将隆(ワタナベ)

 昨年11月、ミニマム級のWBOアジアパシフィック王座を獲得した谷口将隆(25=ワタナベ)が、その余勢を駆って同級世界王座に挑む。山中竜也(真正)に勝って戴冠を果たしたビック・サルダール(28=フィリピン)を攻略できるか。

 谷口はアマチュアで74戦(55勝16KO19敗)したあと16年4月にプロデビュー。以後、3年間で13戦11勝(7KO)2敗の戦績を残している。敗北は日本ミニマム級王座決定戦で小西伶弥(25=真正)、東洋太平洋タイトル戦で小浦翼(24=E&Jカシアス)に判定で敗れたもので、いずれも僅少差だった。小浦戦後は3連勝と好調だ。サウスポーのボクサーファイター型で、出入りしながら左を上下に打ち分けることが多い。タイで2度、フィリピンで2度、合計4度も外国で戦ったことがあり、数字以上に経験値は高い。

 そんな谷口の挑戦を受けるサルダールは日本にも馴染みの選手だ。15年12月の初来日試合では当時のWBO世界ミニマム級王者、田中恒成(23=畑中)にボディを攻められて6回KO負けを喫したが、それまでは5回に右クロスでダウンを奪うなど大きくリードしていたほどだ。戴冠試合となった山中戦でも7回に鮮やかな右ストレートでダウンを奪っている(12回判定勝ち)。サルダールは懐深く構える右のボクサーファイター型で、159センチの身長に対しリーチが171センチと長いうえパンチの伸びがある。相手にとっては戦いにくいタイプといえるかもしれない。

 ともに立ち位置を意識しながら距離とタイミングを計るという、緊張感のある試合になりそうだ。カギを握るパンチを挙げるとしたら谷口は左ボディブロー、サルダールは右ストレートか。谷口が王者の右に十分な警戒をしたうえで積極的に仕掛け、懐に潜り込んでサルダールの弱点といわれるボディを攻めることができれば戴冠が見えてくる。(原功)

サルダール=1990年11月3日、フィリピン出身の28歳。右ボクサーファイター型。戦績:21戦18勝(10KO)3敗。

谷口=1994年1月19日、兵庫県出身の25歳。ワタナベジム所属。左ボクサーファイター型。戦績:13戦11勝(7KO)2敗。

東日本ボクシング協会

東日本ボクシング協会公式ホームページです。