【見どころ】体格とスピードで勝る伊藤 左ジャブで主導権掌握か

12月30日(日)大田区総合体育館
WBO世界スーパーフェザー級タイトルマッチ
王者 伊藤雅雪(伴流) vs エフゲニー・チュプラコフ(ロシア)挑戦者

 今年7月、相手の準ホームともいえる米国フロリダ州キシミーでクリストファー・ディアス(プエルトリコ)に12回判定勝ち、戴冠を果たした伊東の凱旋初防衛戦。20戦全勝(10KO)の戦績を残している1位のチュプラコフを迎え、真価が問われることになる。

 伊藤にとってディアス戦はプロ26戦目にして初めて東京を離れての試合だったが、積極策が奏功。4回には右を軸とした連打でダウンを奪うなど快勝といえる内容だった。伊藤はスーパーフェザー級では長身の174センチから左ジャブ、右ストレートを繰り出す正統派の選手で、足で間合いを計ることもできる。以前は迎撃型だったが、最近は自ら試合をつくりにいくようにもなった。その積極性が世界戦で勝利をもたらしたといえる。

 挑戦者のチュプラコフは11年12月のプロデビューから20個の白星を重ねてきた。対戦者リストには元世界ランカーのドミトリー・キリロフ(ロシア)やエデン・ソンソナ(フィリピン)といった“昔の名前”も含まれているが、対戦時点で実力比較できる相手は皆無といえる。チュプラコフは身長165センチの体を前傾させながら両手を忙しく動かして攻めるタイプで、体力と腕力はありそうだ。ただ、スピードやパワー、テクニックなどに特別秀でたものは感じられない。

 体格とスピードで勝る伊藤が左ジャブを繰り出しながら前半で主導権を握ることができれば、そのまま差を広げていく可能性が高いとみる。チュプラコフは飛び込む際に両足が揃う傾向があるだけに、そこに伊藤がタイミングよく右ストレートを合わせることができれば大きなヤマをつくることもできそうだ。(原功)

伊藤=1991年1月19日、東京都出身の27歳。伴流ジム所属。右ボクサーファイター型。戦績:26戦24勝(12KO)1敗1分。

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