【見どころ】距離潰して上下の打ち分け狙いたい井上
12月30日(日)大田区総合体育館
WBC世界バンタム級暫定王座決定戦
井上拓真(大橋) 対 ペッチ・CPフレッシュマート(タイ)
プロデビューから5年、井上が13戦目で初の世界戦を迎える。勝てば2歳上の兄で3階級制覇を成し遂げているWBA世界バンタム級王者の尚弥とともに、兄弟世界王者となる。
井上はアマチュアで57戦52勝(14KO)5敗の戦績を残したあとプロ転向を果たし、ここまで12戦全勝(3KO)をマークしている。
のちに世界王者になる福原辰弥(本田フィットネス)とデビュー戦で拳を交えたのをはじめ、ファーラン・サックリンJr(タイ)、ネストール・ナルバエス(アルゼンチン)、マーク・アンソニー・ヘラルド(フィリピン)、フローイラン・サルダール(フィリピン)、久高寛之(仲里)、益田健太郎(新日本木村)、マーク・ジョン・ヤップ(フィリピン/六島)といった現役、元世界ランカーたちの名前が対戦相手の欄にズラリと並ぶ。ハードなマッチメークを経て大舞台を迎えることになったことが分かる。足で距離と角度をつくりながら出入りする好戦的なスタイルで、10ラウンドを3度、12ラウンドも3度、フルに戦いきるなどスタミナも十分だ。
相手のペッチは11年3月のプロデビューから48連勝(33KO)を収めているサウスポーで、この階級では172センチと大柄だ。打ち下ろす左は破壊力があり、相手が距離を詰めてきた際には迎え撃つアッパーもある。突き刺すような右ジャブも厄介そうだ。ただ、力量を測れる対戦相手が皆無ということもあり、どれだけの実力があるのかは未知といえる。また今回がタイを出て初めての試合でもあり、体重を含むコンディション調整が注目される。
井上は距離を潰してボディから攻めていきたいところだが、序盤は慎重に構えたほうがよさそうだ。そのうえでペッチの右ジャブをかい潜って懐に入り、上下にパンチを打ち分けることができれば戴冠が見えてくる。(原功)
井上=1995年12月26日、神奈川県出身の23歳(試合時)。大橋ジム所属。右ボクサーファイター型。戦績:12戦全勝(3KO)。
ペッチ=1993年11月20日、タイ出身の25歳。左ボクサーファイター型。戦績:48戦全勝(33KO)。
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