【見どころ】“スピードの木村”“強打の高野”によるテンポの速い攻防を期待
12月20日(木) 後楽園ホール
日本バンタム級暫定王座決定戦
木村隼人(ワタナベ)vs 高野誠三(真正)
9月の王座決定戦で菊地永太(真正)に2回TKO勝ちを収めて日本バンタム級新王者になった齋藤裕太(花形)が、病気のため戦線離脱。それを受け暫定王座が設けられることになった。スピードに定評のある木村が3度目の日本王座挑戦で悲願を果たすのか、それとも19勝のうち10KOを誇る強打の高野が神戸にベルトを持ち帰るのか。
木村は16歳の誕生日にタイでプロデビューしたあと、韓国をホームにしていた時期もあり、07年と09年に韓国スーパーフライ級、バンタム級王座を獲得した実績を持っている。日本王座には15年と16年に挑んだが、いずれも接戦を落としている(10回判定負け)。昨年7月には東洋太平洋王座にも挑戦したが、これも12回判定負けで目的を果たせずに終わっている。その後、今年2月の再起戦で7回TKO勝ちを収め、今回のチャンスをつかんだ。
高野は07年にプロデビューし、13年4月にはメキシコ遠征も経験した。ちなみに、このとき高野に3回TKO勝ちを収めたレイ・バルガス(メキシコ)は、4年後にWBC世界スーパーバンタム級王者になっている。そのバルガス戦を含め12年から15年にかけて5敗した高野だが、以後は4連勝と復調。しかし、余勢を駆って挑んだ東洋太平洋バンタム級王座挑戦は世界ランカーのマーク・ジョンヤップ(六島)の前に10回KO負けに終わった(17年12月)。今年4月の田中一樹(グリーンツダ)戦でも惜敗しており、今回は連敗脱出をかけた試合でもある。
木村はスピードを生かしたボクシングで先手を取ってポイントを重ねていきたいところだ。高野は巻き込むような右や左フックなどパンチは強いが単発になる傾向があるだけに、後手にまわると分が悪い。こちらも序盤から飛ばしてペースを握りにくるものと思われる。テンポの速い攻防がみられそうだ。(原功)
木村=1989年6月23日、神奈川県出身の29歳。ワタナベジム所属。右ボクサーファイター型。戦績:37戦27勝(18KO)10敗。
高野=1989年6月28日、兵庫県出身の29歳。真正ジム所属。右ボクサーファイター型。戦績:30戦19勝(12KO)10敗1分。
0コメント