【見どころ】2階級制覇狙う亀田に「メディアの右」は要注意

11月12日(月)後楽園ホール
WBC世界スーパーバンタム級暫定王座決定戦
アビゲイル・メディナ(ドミニカ共和国)vs 亀田和毅(協栄)

 正規王者のレイ・バルガス(メキシコ)が肩の故障で戦線離脱しているために設けられる暫定王座の決定戦。元WBO世界バンタム級王者の亀田が勝てば3階級制覇の長兄・興毅、2階級制覇の次兄・大毅に続き複数階級制覇となる。史上唯一の「3兄弟世界王者」という記録に、さらなる勲章を加えることができるか。

 27歳の亀田は10年のプロキャリアで37戦35勝(20KO)2敗の戦績を残しており、経験値が増して充実期にあるといっていいだろう。この2敗はWBO王座を返上して臨んだWBA王者のジェイミー・マクドネル(英)戦で12回判定負けを喫した(15年5月、9月)ものだが、以後は4連勝(1KO)と調子を取り戻している。

スピードのあるワンツー、ボディ攻撃などに定評がある。10ラウンド以上を15度もフルに戦いきっており、スタミナもある。

 一方のメディナはカリブ海のドミニカ共和国出身だが、スペイン国籍を取得している。プロデビューは亀田よりも1ヵ月早く、スペインを主戦場にして10年間に24戦19勝(10KO)3敗2分のレコードを残している。3敗のうちのひとつは13年12月、世界王者になる前のマクドネルに8回判定で敗れたものだ。以後は10連勝(5KO)と好調を維持している。特に直近の2戦では、世界挑戦経験者のマーティン・ウォード(英)を2回、元世界ランカーのアントニー・セットウル(仏)を1回、ともにダウンを奪ってTKOで下して勢いを増している。KO率は42パーセントと決して高くはないが、左でフェイントをかけながら思い切り打ち込んでくる右は破壊力がある。10KOのうち8度は4回以内ということもあり、特に前半は要注意といえよう。

 総合力では亀田が勝ると思われるが、正面からの打ち合いはリスクも高くなるため、まずは足をつかいながら様子をみることになりそうだ。そのうえで相手をコントロールしてポイントを重ねることができれば2階級制覇が現実味を帯びてくるだろう。メディナは攻撃時にアゴが上がる傾向があり、そこに亀田が右ストレート、左フックを合わせることができればKOも見えてくる。(原功)

メディナ=1988年10月10日、ドミニカ共和国出身の30歳。右ボクサーファイター型。戦績:24戦19勝(10KO)3敗2分。

亀田=1991年7月12日、大阪府出身の27歳。協栄ジム所属。右ボクサーファイター型。戦績:37戦35勝(20KO)2敗。

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