【見どころ】勢いの王者 vs 経験で勝る挑戦者

10月7日(日)横浜アリーナ
WBC世界ライトフライ級タイトルマッチ
王者 拳四朗(BMB)vs ミラン・メリンド(フィリピン)元IBF王者

 4度目の防衛を狙う拳四朗と、元IBF王者のメリンド。総合力に大きな差はないが、一戦ごとに地力と自信をつけている拳四朗がやや有利か。

 拳四朗は昨年5月、ガニガン・ロペス(メキシコ)に競り勝って王座を獲得し、初防衛戦でも元王者のペドロ・ゲバラ(メキシコ)

を小差の判定で下した。V2戦ではヒルベルト・ペドロサ(パナマ)に力量差をみせつけて4回TKO勝ち。そして今年5月には前王者ロペスとの再戦に臨み、2回に右のボディストレートを決めて鮮やかなKO勝ちを収めた。この4度の世界戦では試合ごとに内容、結果が良くなっており、26歳の王者の成長をみてとることができる。

 挑戦者のミランドは拳四朗の約3倍にあたる40戦(37勝13KO3敗)の試合経験を持つ。16年11月にIBFの暫定王者になってから昨年の大晦日にWBA王者だった田口良一(ワタナベ)に敗れるまでの13ヵ月間、世界一の座にいたこともある。田口戦では終盤で引き離されたが、その7ヵ月前には八重樫東(大橋)から165秒の間に3度のダウンを奪ってTKO勝ちを収めている。戦力バランスのとれた実力者といっていいだろう。

 一戦ごとに力をつけている拳四朗だが、今回は直近の2試合のようにはいかないだろう。長丁場を想定して守るところは守り、そのうえで上下にパンチを打ち分けて確実にポイントを奪うことができるか。中盤から終盤で抜け出すためにも、拳四朗はボディブローで元IBF王者の戦力と意欲を削いでいきたい。(原功)

拳四朗=1992年1月6日、京都府出身の26歳。BMBジム所属。右ボクサーファイター型。戦績:13戦全勝(7KO)。

メリンド=1988年2月29日、フィリピン出身の30歳。右ボクサーファイター型。戦績:40戦37勝(13KO)3敗。

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