【見どころ】4ヵ月ぶりの再戦!序盤のペース争いがカギ

8月9日(木)後楽園ホール
WBOアジアパシフィックウェルター級タイトルマッチ
王者 アルビン・ラガンベイ(フィリピン)vs 小原佳太(三迫)挑戦者

 両者は今年4月、今回とは逆の立場で拳を交え、ラガンベイが2回KO勝ちでWBOアジアパシフィックウェルター級王座を奪っている。初回に小原が左フックでダウンを奪ったものの、2回に左フックの相打ちで両者が同時にダウン。すぐに立ったラガンベイに続いて小原も立ち上がったが、戦いを続行できる状態ではなくレフェリー・ストップされるというスリリングな内容だった。

 この不覚によって小原はWBOアジアパシフィック王座を明け渡し、同時に世界トップ10内だったIBFとWBOのランキングも失った。11月で32歳になるだけに、今回の試合は背水のリマッチということになる。

 初戦を見るかぎり、総合的な戦力で小原が上回っていることは間違いない。4月の試合では初回には左でダウンを奪っており、慎重に戦えば中盤から終盤には仕留める可能性が高かったといえる。今回は左ジャブで突き放してリスクを小さく抑え、そのうえで徐々に相手を痛めつけていって中盤以降の勝負に持ち込む策を練っているものと思われる。それを遂行する力は十分にあるはずだ。

ただ、初戦でサウスポーのラガンベイの強引でラフな攻撃に手を焼いていた点は気になる。序盤から乱戦に巻き込まれるようなことがあると4ヵ月前の二の舞という最悪の結果も考えられないわけではない。

 序盤、中長距離をキープすることができれば小原、中近距離の乱戦に引きずり込んだ場合はラガンベイのペースといえる。ともにパンチ力があるだけに今回も目の離せない試合になりそうだ。(原功)

ラガンベイ=1995年5月19日、フィリピン出身の23歳。左ファイター型。戦績:12戦10勝(9KO)2敗。

小原=1986年11月12日、岩手県出身の31歳。三迫ジム所属。右ボクサーファイター型。戦績:23戦19勝(17KO)3敗1分。

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