【見どころ】荒川仁人のテクニックvs挑戦者のパワー

5月20日(日)大田区総合体育館
WBOアジアパシフィック ライト級タイトルマッチ
王者 荒川仁人(ワタナベ) vs リマール・メツダ(フィリピン)挑戦者

 WBA13位、WBO2位にランクされる36歳の荒川が、ひと回り若い24歳のメツダを相手にWBOアジアパシフィック王座のV2戦に臨む。荒川のテクニックが凌駕するのか、メツダのパワーが勝るのか。サウスポー同士の一戦は序盤から見応えのある展開になりそうだ。

 荒川は12年11月から15年6月にかけて7戦2勝5敗と武運から見放され、30歳を過ぎて厳しい局面に立たされた時期があったが、以後は6連勝(2KO)と復調している。ジムを移籍するなど心機一転したことがプラスに作用しているといえるかもしれない。2年前には日本ライト級王座に返り咲き、昨年1月にはWBOアジアパシフィック王座を獲得している。接近しても離れても戦える頭脳派のサウスポーのボクサーファイター型で、長丁場の経験も豊富だ。

 挑戦者のメツダは15戦12勝(7KO)3敗のボクサーファイターだが、荒川よりも好戦的なタイプといえる。手数は多くはないが、左ストレートで飛び込んで右フックを強振したり、近距離で右アッパーを突いたりと思いきりのいい攻撃が身上だ。直近の5戦に限ってみれば2勝3敗だが、2度のロシア遠征でいずれも10ラウンドをフルに戦いきるなど経験値を上げているだけに侮れない。

 リスクを小さく抑えたい荒川とすれば、右ジャブと足の動きを生かしてメツダをコントロールする展開に持ち込みたい。経験で勝る王者が巧みに主導権を握って加点していくものとみるが、メツダのパワーには警戒が必要だ。(原功)

荒川=1981年12月23日、東京都出身の36歳。ワタナベジム所属。左ボクサーファイター型。戦績:38戦31勝(18KO)6敗1分。

メツダ=1994年3月25日、フィリピン出身の24歳。左ボクサーファイター型。戦績:15戦12勝(7KO)3敗。

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