【見どころ】好調なヤップ相手に3度目の正直狙う中嶋

4月4日(水)後楽園ホール
東洋太平洋バンタム級タイトルマッチ
王者 マーク・ジョン・ヤップ(フィリピン)vs 中嶋孝文(竹原&畑山)挑戦者

 東洋太平洋王座獲得試合と2度の防衛を含め、15年以降9連勝(4KO)と好調のヤップに、2度の日本王座挑戦経験を持つ33歳の中嶋が挑む。

 07年1月にフィリピンでプロデビューしたヤップは、10年に来日初試合を行い、このときは8回判定で敗れた。13年には現IBF世界スーパー・バンタム級王者の岩佐亮佑(セレス)にも10回判定負けを喫している。この前後から活動拠点を日本に移したが、13年から14年にかけて3連敗を喫するなど厳しい状況が続いた。しかし、前述のとおり最近の3年間は負けなしの9連勝をマークしている。しかも、この間に山本隆寛(井岡)を5回TKOで下して東洋太平洋王座を獲得し、益田健太郎(新日本木村)を4回、高野誠三(真正)を10回、いずれもKO(TKO)で下して防衛を果たし、確かな力を示している。WBCで5位にランクされるまでになっている。

 挑戦者の中嶋は03年4月のプロデビューから15年で39戦29勝(13KO)9敗1分の戦績を残している。決定戦を含めて日本王座には2度挑んだが、いずれも大竹秀典(金子)に敗れている。2年前には中国遠征でWBCの地域王座を獲得したが、その後の2試合で連敗を喫し、勢いに乗れなかった。それでも以後は4連勝(3KO)をマークして今回の挑戦に結びつけた。

 総合力に加え4連続KO勝ちと勢いでも勝るヤップが有利といえる。特に中間距離での戦いには強く、早い段階で主導権を握るようだと一気に仕留めに罹る可能性もある。ただ、益田戦では初回に3度のダウンを喫するなど防御面で課題も抱えており、そこを中嶋が突ければ勝負の行方は分からなくなる。(原功)

ヤップ=1989年1月7日、フィリピン出身の29歳。六島ジム所属。右ボクサーファイター型。戦績:40戦28勝(14KO)12敗。

中嶋=1984年6月21日、青森県出身の33歳。竹原&畑山ジム所属。右ボクサーファイター型。戦績:39戦29勝(13KO)9敗1分。

東日本ボクシング協会

東日本ボクシング協会公式ホームページです。