【見どころ】因縁の再戦!山中リベンジなるか!

3月1日(木)両国国技館
WBC世界バンタム級タイトルマッチ
王者 ルイス・ネリ(メキシコ)vs 山中慎介(帝拳)元王者

 昨年8月、両者は今回と逆の立場で拳を交え、ネリが連打を浴びせて山中を4回TKOで破り王座を奪取、敗れた山中は13度目の防衛に失敗した。その後、ネリのドーピング違反が発覚したが、WBCは「意図的に違反したとは断定できない」としてネリのもとに王座を据え置き、代わりに山中との再戦を命じた経緯がある。返り討ちにして疑問の声を封じたいネリと、リベンジして王座を取り戻したい山中。ともにサウスポーで攻撃力があるだけに、初戦と同じように初回から緊迫した試合になりそうだ。

 山中戦後のノンタイトル戦を含め、ネリはデビューから25戦全勝(19KO)と勢いがある。低い構えで下から煽るようにして圧力をかけ、距離を潰して中近距離で連打に巻き込む好戦派だ。一発の破壊力では山中に劣るが、勢いづくと嵩にかかってノンストップで攻めてくるだけに相手は対応しきれなくなる。反面、防御面には甘さもあり、チャンスをつかんでからスキを突かれてダウンしたこともある。昨年11月のノンタイトル戦もそうだった。

 対する山中は無冠になったあと引退も噂されたが、「あのままじゃ終われない」と再起を決めた。初戦については「自分のディフェンスが悪すぎた。体が浮いたところにパンチをまとめられた」と分析しており、今度はしっかりと腰を落として迎え撃つ構えだ。切り札の左ストレートを打ち込む距離をつくるためには、足捌きや右ジャブがいつも以上に重要になってきそうだ。

 若いネリは初戦の勝利で自信を増しているはずで、前回よりも早く仕掛けてくる可能性が高い。後手にまわりたくない山中も先手をとることを考えているはず。そうなると初回からピリピリした主導権を争いが展開されることになりそうだ。ネリが再び連打に巻き込むのか、それとも山中の伝家の宝刀、左ストレートが炸裂するのか。KO決着必至のカードだ。(原功)

ネリ=1994年12月12日、メキシコ出身の23歳。左ボクサーファイター型。戦績:25戦全勝(19KO)。

山中=1982年10月11日、滋賀県出身の35歳。帝拳ジム所属。左ボクサーファイター型。戦績:30戦27勝(19KO)1敗2分。

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