注目のサウスポー対決!心身の調整具合にも注目

7月16日(木)後楽園ホール
日本スーパーライト級タイトルマッチ
王者 井上浩樹(大橋) vs  同級1位 永田大士(三迫)

 新型コロナウィルスの感染拡大のため日本では3月から試合が中止や延期になってきたが、この日、東京では約4ヵ月半ぶりに公式戦が行われることになった。ただし、まだまだコロナ禍の影響下にあるだけに試合前から選手には厳重な健康管理が課され、当日は異例の無観客での2試合限定開催となる。

 この井上対永田の日本スーパー・ライト級タイトルマッチも当初は3月16日に予定されていたが、いったん5月28日に延期されたあと、さらに2ヵ月延びて今回の開催となった。

 井上はアマチュアを経て15年12月にプロデビュー。井上尚弥、拓真のいとことして注目を集めるなか昨年4月にバレンタイン細川(角海老宝石)を判定で下して日本王座を獲得、国内トップの実力も証明した。初防衛戦後の12月にはWBOアジアパシフィック王座も獲得し、WBOで15位にランクされている。15戦全勝(12KO)の戦績が示すとおりのサウスポーの強打者だが、スピードとテクニックを生かして距離をとって戦うこともできる。

 挑戦者の永田もアマチュア経験者で、こちらは井上よりも1年4ヵ月早くプロデビュー。初陣で井上岳志(ワールドスポーツ)と引き分けたものの以降は順調に白星を重ね、17年春には日本3位までランクアップした。しかし、このあとデスティノ・ジャパン(ピューマ渡久地)に急停止を強いられ(7回TKO負け)、18年10月には東洋太平洋王座にも挑戦したが、内藤律樹(E&Jカシアス)に惜敗した。再起後は挑戦者決定戦でアオキ・クリスチャーノ(角海老宝石)を下すなど3連続判定勝ちで1位に浮上した。サウスポーの攻撃型で、フィジカルの強さと馬力に自信を持っている。

 サウスポーの実力派対決だが、前半をリードして折り返したい挑戦者は相手に的を絞らせないようにしながら積極的に仕掛けて距離を潰しにくるものと思われる。これに対し井上は序盤からKO狙いで攻めて出るのか、それともリスクを小さく抑えるためにアウトボクシングをベースに組み立てるのか。その選択によって試合展開と内容が変わる可能性が高い。心身の調整具合とモチベーション、また無観客試合という未体験の状態がどう選手に影響するのかといった点にも注目したい。(原功)


井上=1992年5月11日、神奈川県出身の28歳。大橋ジム所属。左ボクサーファイター型。戦績:15戦全勝(12KO)。

永田=1990年1月12日、宮崎県出身の30歳。三迫ジム所属。左ボクサーファイター型。戦績:17戦14勝(5KO)2敗1分。

東日本ボクシング協会

東日本ボクシング協会公式ホームページです。