1年ぶりの再起戦に臨む清水、殿本は左ジャブに活路

7月16日(木)後楽園ホール
東洋太平洋フェザー級タイトルマッチ
王者 清水聡(大橋)vs 同級14位 殿本恭平(勝輝)

 昨年7月に1階級上のスーパー・フェザー級でWBOアジアパシフィック王者のジョー・ノイナイ(フィリピン)に挑んで6回TKO負けを喫した清水が、1年ぶりにリングに上がる。再起戦は東洋太平洋フェザー級王座の5度目の防衛戦でもある。ノイナイ戦でプロ9戦目で初黒星を喫したうえ眼窩底を骨折した34歳の清水にとっては背水の陣で臨む試合となる。

 12年ロンドン五輪バンタム級銅メダリストの清水は16年9月に30歳でプロに転向。4戦目で東洋太平洋王座を獲得したうえ世界ランクにも名を連ねるなど順調な歩みを見せていた。それだけにノイナイ戦は痛い敗北といえたが、心身の傷も癒えて再起ロードに臨む決意を固めた。清水は179センチの長身テクニシャンで、右フックや左ストレート、アッパー系のパンチなどタイミングや軌道が相手にとっては分かりづらい特徴がある。反面、ディフェンスが甘いという指摘もある。

 挑戦者の殿本は7月1日に25歳の誕生日を迎えた若手選手で、デビュー翌年の15年には全日本新人王戦決定戦に出場。このときは東軍代表の阿部麗也(KG大和)にダウンを喫して5回判定で敗れた。その後、リングを遠ざかった時期もあったが、18年12月に3年5ヵ月の空白を乗り越えて戦線復帰。昨年5月には日本ユース王座も獲得するなど、ブランク前と合わせた直近の5戦は4勝(2KO)1分と好調だ。両ガードを高めに置いた構えの右ボクサーファイター型で、左ジャブで切り込んで右ストレート、近距離で左フックを返すパターンが多い。

 アマチュア時代を含めた経験値とパンチ力、テクニックなどで勝る清水有利は不動といえる。殿本は左ジャブで先手を取って清水を後手に回らせたいが、簡単にはいかないだろう。清水がタイミングをずらしながら右フック、左ストレートを打ち込めれば「KOで再起」という理想が現実のものになりそうだ。ただ、1年前の試合で清水が敗北と負傷を経験していることや、大阪が拠点の殿本にとって無観客試合として行われることがプラス効果をもたらす可能性もあるなど不確定要素も多い。(原功)


清水=1986年3月13日、岡山県出身の34歳。大橋ジム所属。左ボクサー型。戦績:9戦8勝(8KO)1敗。

殿本=1995年7月1日、大阪府出身の25歳。勝輝ジム所属。右ボクサーファイター型。戦績:12戦9勝(4KO)2敗1分。

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